やっぱり深夜日記、主に三波春夫さんの名調子講座(訂正版)
微熱7度4分も知らぬうちにどっかへ行ったらしい。さて、深夜日記再開だ。男との縁落ち着かぬ哀れな女人一人、またも古巣へ舞い戻った。おぬしは古だぬきならぬ古ぎつねか。まあ、ご苦労さんの今年一年引っ越し魔だったね。あ、ただし、お下劣はやらんよ。疲れたよ。今スクラブ何とかってのが出たな。壊れる前兆かね。あったらしいパソコンほっしいよおー。あ、hossyさんのお名前に似ちゃった。hossyさん、すみません。今のデスクトップ、カッコイイんだよね。ま、先立つものがないから、我慢か。でも小笠原のちょい南までは行くぞ。この箇所注意って、独り言だけどね。「行く」とは書いたが「行って来る」とは書いてない。行きて還らぬ死出の旅になるかも知らん。いいかい。一ヶ月を30日とすると、2のつく日は2,12,22のたった三日。つまり一ヶ月のわずか十分の一だ。そこに、1974年から1988年までの15年間に12回もの空の事故が起きているのだ。日本の航空会社の大事故がこのごろないね。そろそろじゃないかね。私の帰国日は来年1月12日です。危ない日ですね。ま、私が死んでも老親二人生きていくお金はあるから、生活は大丈夫でしょう。一足早く、兄よりも早く、弾丸(たま)よりも速く、力は機関車よりも強く、高いビルディングも一っ飛び。「鳥だ、ロケットだわ。あ、スーパーマン ! 」懐かしいねえ。私の世代くらいしかわからないと思いますけどね、当時これを「鳥だ、ジェット機だわ・・・」って、テレビでもほかの番組で使う時、間違えてたのを、私は気づいていました。「てなもんや三度笠」でもね、「♪街道名物ご存知ないか(あるか?)、ああソレソレ・・」ってとこ。これバス旅行の車中で私とほか全員とが意見対立。私は「ああソレソレ」だと主張したのですが、ほかのみんなは「ああコリャコリャ」って言い張るんです。私はテレビっ子でしたから、主題歌なんかにうるさかったんですね。あ、亡くなった鶴田浩二(字忘れ)さんの「傷だらけの人生」って歌で、鶴田さんが片手を耳に当てながら歌ったのあったでしょう。その前のセリフで、「古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。どこに新しいものがございましょう。生まれた土地は荒れ放題。今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃあござんせんか」ってのね。これをね、「古い奴こそ」のところを必ず「古い奴ほど」って言うタレントなんかが目だって「おかしいな」と思いました。これは著作権ではないでしょう。みんないい加減だなと思ったですね。こんなこと書き出したらきりがないですよ。有名な「花」っていう名曲ありますよね。「♪春のうららのすみだ川、のぼりくだりの、舟人が・・・」ってとこ。これね、あの性転換疑問大なり女の和田アキ子が、・・・いいですかって、誰も読んでないと思いますがね、「春のうららの」の「うらーらーの」のところと、「のぼりくだりの」の「りーの」のところは、節が違えて作ってあるんですよ、本当は。それをね、性転換実は元男に違いない女の和田アキ子は、同じふしで歌ったんです、だいぶ昔だけど。この時、芸能人は唱歌そのたを知らぬと思いましたね。芸大出や、音大出の正統派の女の歌手たちは、それは見事ですよ。それから合唱もですね。特に「花」は女声合唱がピッタリですね。そうでした。和田アキ子なんぞというもしや元男ではないか女なんて、その程度のことでおしまい。この、「花」って歌は、一番、二番、三番、みんな歌い方が違うのです。こういう歌が貴重なのです。一服します。好きな歌がありましてね。「オールド・ブラック・ジョー」なんです。「♪ 若き日はや夢と過ぎ、我が友、みな世を去りて、あの世に楽しく眠り、かすかに我れを呼ぶ、オールド・ブラック・ジョー、我れもゆかん、はや老いたれば、かすかに我れを呼ぶオールド・ブラック・ジョー(我れも以下くり返し)よーそろー」。あ、よーそろーは余分でした。こういう暗くも美しい歌を作ったフォスターは子供の頃から好きでしたね。オードウェイ作曲の「旅愁」って歌ありますね。これも好きだけど、フォスターのほかので「故郷の人々」が涙が出るほど好きです。もお、涙の出る歌ばかり。あ。これはですね。訳す人によって歌詞が違うこともあります。今のオールド・B・Jもそうです。あらま、嫌いだって言ったくせに略字使っちゃった。たとえば「♪ などてか涙ぞいずる・・」と歌うものもあります。で、「故郷の人々」。これ初めて接したのはウクレレ教本でしたかね。そこにはね「♪ はるかなるスワニー河、その下(しも)・・・」って出だしてたんです。この名曲の別名は「スワニー河」なのですね。でも今の主流は「♪ はるかなる流れのかなたに・・・」だと思います。でもいずれでもいいのです。メロディーのきれいなこと。でね。ニックネーム「春子3776」っていう変な女が、このフォスター好きみたいなんですね。本人は春子のあとに富士山の高さの数字つけるくらいだから、静岡県か山梨県の女かと察しますけどね。これがサッカーのサポーターなのですね。どんな恥ずかしいカッコで、どんなはしたない声援で応援してるかと思うと、これがフォスターとは全く結びつかないんですね。もともと人間ってのはイビツなところがあってこそ人間だと、作家の司馬遼太郎さんが書いていたから、この言葉通りなのかも知れませんですね。そうだ。本日は12月14日。旧暦との違いなぞと野暮なこと言いっこなし。さて、私の十八番ライト村松なーんてね、寒くなったでしょ。そうですよ、寒い晩だったのですよ。三波春夫さんのヒット曲「俵星玄蕃」から、語りの妙を堪能させてくれるところを再び三たびピックアップ。フォークギターはピックなしではさまにならない。パパパパパーと行きますよ。あ、ひまひまにゃーさん、流星群どうでした ? それからこの曲なんとか聴けるようになりましたか ?「時に元禄十五年十二月十四日江戸の夜風をふるわせて、響くは山鹿流儀(やまがりゅうぎ)の陣太鼓しかもひと打ち二打ち三流れ。思わずハッと立ち上がり耳を済ませて太鼓を数え、『おおっ、まさしく赤穂浪士の討ち入りじゃ助太刀するはこの時ぞ。もしやその中に昼間別れたあのそば屋がおりはせぬか名前はなんと今ひとたび』会うて別れが告げたいものと稽古襦袢(けいこじゅばん)に身を固めて段小倉(だんこくら)の袴(はかま)、ももだちたっかく取りあげ白綾(しらあや)たたんで後ろ鉢巻眼の吊る如く、長押(なげし)にかかるは先祖伝来俵弾正(たわら・だんじょう)鍛えたる九尺(くしゃく)の手槍を右の手に、切戸をあけて、一足おもてに踏み出せば天は幽暗(ゆうあん)地はらいらいたる白雪をぉ、蹴立ててえー、行く手は松坂町― ! ! 」(訂正 / 「らいらいたる」は間違いで正しくは「凱々たる」で読みは「がいがいたる」です)これをレコードで聴いてなーんもわからん、面白くなか、という輩は日本人じゃなかよ。へたなロックやら今の愛だ恋だ、あなただ私だ、ボクに出来ることはなんだろなーんて、寝小便しろって言いたくなる世迷言の歌ばっか聴いていい気になってるもんはホントの日本人じゃなかぞ。レコードでもシーディーでもあったら一度覚えてみるといいぞなもし。「おたのみいー」なんちゃって。これ伊予松山弁だよ。いいねえ、ここの言葉。「ごめん下さい」っていうような意味だっけか。日本一柔らかい響きだね。でもこんな調子で空手三段の人がいきなり「ウリャア」なんて来たらこわいね。のちに日本海海戦で活躍する秋山真之(あきやま・さねゆき)さんがここの出身。俳句の正岡子規とは幼なじみじゃった。その秋山真之が子供の頃あんまり、やんちゃ坊主なので、とうとう親父さんが寺へやろうかと言い出した時に、兄の好古(よしふる)さんが、あ、この人も陸軍で騎馬軍団を養成して、のちに大陸で当時世界最強と言われたロシアのコサック騎兵団を打ち負かす功績を立てた人なんだけど。この人が父親の前に来て、「寺へやってはいけんぞな」と言ったらしいです。伊予松山弁。いい方言です。三波春夫さんの名ゼリフに戻りますよ。ちょっと興味を持って覚えるだけですよ。すぐ覚えます。保証します。ここで一服。推敲しません。いいですか。まず「時に元禄十五年十二月十四日江戸の夜風をふるわせて、」。ここまで一気に言います。私に合わせて復唱して下さい。念のため申し上げておきますが、「十二月二十四日」ではありません。クリスマスイヴではないですよ。次行きます。「響くは山鹿流儀(やまがりゅうぎ)の陣太鼓しかもひと打ち二打ち三流れ。」ここまでです。少し気をつけていただくのは、「ひと打ち二打ち三流れ」です。早い話が一打ち二打ち三流れなんですが、初めだけ「ひとうち」とやるから、メリハリが出るんです。あとの数字は「2 , 3 」でいいんです。次です。「思わずハッと立ち上がり耳を済ませて太鼓を数え、『おおっ、まさしく赤穂浪士の討ち入りじゃ助太刀するはこの時ぞ。もしやその中に昼間別れたあのそば屋がおりはせぬか名前はなんと今ひとたび』」ここは俵星玄蕃(たわらぼし・げんば)さんのセリフが入るから、勇ましく語るのです。少し大事なところは「・・討ち入りじゃ助太刀するは・・」のところを切らないで立て続けに言うところです。同じように「・・おりはせぬか名前はなんと今ひとたび」もです。これが聴いて心地よくなる講談調なのです。と思います。次です。「会うて別れが告げたいものと稽古襦袢(けいこじゅばん)に身を固めて段小倉(だんこくら)の袴(はかま)、」ここでちょい切りますが、すぐ次です。「ももだちたっかく取りあげ白綾(しらあや)たたんで後ろ鉢巻眼の吊る如く、」これも一気に行きます。「高く」をわざと「たっかく」だからいいんです。ここまで来ればしめたもの。次です。「長押(なげし)にかかるは先祖伝来俵弾正(たわら・だんじょう)鍛えたる九尺(くしゃく)の手槍を右の手に、」ここでやはりひと呼吸程度おいて、次です。「切戸をあけて、一足おもてに踏み出せば天は幽暗(ゆうあん)地はらいらいたる白雪をぉ、蹴立ててえー、行く手は松坂町ー ! ! 」むつかしい言葉はたとえば「天は幽暗・地はらいらいたる」などはぜひ覚えましょう。私も「らいらい」は漢字を存じません。大事なのは「天」と「地」を対照させているところ。(ここも「がいがいたる」が正しいセリフです)「白雪をぉ」は余り気合を入れなくてもけっこうです。入れるのは「蹴立ててえー」のところ。三波春夫さんはここに凄い気合を入れてます。最後の「行く手は松坂町ー ! ! 」。この時三波春夫さんは、不敵な笑いさえ浮かべて「今待ってろよ、吉良め。しじゅうしちしがゆくからなー」と言わぬばかりに、見てても聴いてても小気味良い表情と声の調子を共に味わわせてくれます。平成くだらぬ「君とボク」歌ばっか聴いてる少年青年諸君よ、たまにはこういうのをやってご覧。おとなになってから、会社なんかのかくし芸でほめられるよ。