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2003.06.24
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カテゴリ:軍事・外交
さて、いよいよ本連載しめくくりである。
私が抄録した日本ミニ原爆の話は、表向きは全くみじめにアメリカの圧倒的物量と軍事力によってコテンパンにやられて敗戦に至った我が国の当時の様子を様々な資料で知る人には、にわかには信じがたいものに違いなかろう。

確かに公表された終戦前後の報道などが、今日に至る大東亜戦争の真実ということである。だが、これら資料に全幅の信頼をおき、全き信憑性を託すことにも、実はおおいに問題があるというのが私の主張であり、その主張のよってきたるところは、無論私如き無知蒙昧の人間一人の研究や調査によるものでないことは明らかである。それは、平成6,7年あたりからドッとあふれるように特に出版物を通して公表されるところとなった、一部の良心あるかたがたの真実を探求する書物によるものである。実名を挙げると、渡部昇一氏、谷沢永一氏、小堀桂一郎氏、西尾幹二氏、中村粲(あきら)氏など、評論家としてだけでなく、それぞれに独自の専門分野をお持ちで、なおかつ自虐史観・暗黒史観などと呼ばれる、数十年の長きにわたった、我が国の戦争の歴史観に綿密な研究に基づく異議を唱え、大東亜戦争史観のみならず、我が国対外戦争史観に一石も二石も投じた大変な貢献者のかたがたである。

この人々の並々ならぬ研究と、それを満天下に知らしめる出版物などがなければ、我が国の近代戦争史は、相も変わらぬ極悪旧軍史観に塗りつぶされたままだったことは間違いない。私が本連載に意欲的になったのには、実は五島勉氏の一著書にひかれただけではなく、このような良心に基づく斬新な大東亜戦争史観に接することができたという背景もある。

さて、昭和20年8月15日、遂に昭和天皇御自らの吹き込みになる、一大決定的声明文、すなわち「終戦の詔書」が玉音盤に録音され、ラジオを通じて全国民に向けて放送された。なお、一部の有志陸軍将校たちが、この放送を阻止せんと、必死の思いで行動した事実も、既に有名になっているところである。のちに多くがあるいは割腹し、あるいは短銃自決したことでわかるように、行動そのものの是非はともかく、彼らも又、日本を想う一途でやったことだけはいたずらに批判せざるべしと思うし、相応に評価すべしと思うものである。

終戦の詔書放送は、一時期様々なテレビドラマの中で描かれ、その信じがたき鮮明な音声で放送されるラジオの前にこうべを垂れて粛々と陛下のお言葉に耳を傾けつつ、おえつをこらえきれず、涙する国民たちを見せる場面ばかりだった。これはうそである。当時のラジオに流れた玉音放送はかなり音質が悪く、陛下がどんなことをおっしゃっているのかを細大もらさず聞き取ることは困難か不可能だったのが本当である。

現にただいま79才の父と75才の母は共に、陛下のお言葉が聞き取りにくく、失礼な表現をすれば、何を言っているのか、ほとんど聞き取れなかったと言っている。些細なことだが、こんなところにも、マスコミのいい加減さやもっと言えば終戦報道に関する制作姿勢の悪意さえ感じ取れる。

本題に入る。陛下の玉音放送中、というより終戦の詔書の文章の中に、実は読み落しがちながら、慧眼を以て取り組んだ著者・五島勉氏の鋭い観察箇所がある。以下、その核心部分を書き抜いてみる。

「敵ハ、新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ、シキリニ無辜(むこ)ヲ殺傷シ、惨害ノ及ブ所、真ニ測ルベカラザルニ至ル。
シカモナオ交戦ヲ継続センカ、ツイニ我民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラズ、ヒイテ人類ノ文明ヲモ破却スベシ」

なお、私も戦後のかなづかいで育った者なので、この引用文のかなづかいが旧かなづかいに則ったものかはわからない。とりあえず、書き抜いたまでである。

以上の箇所を現代語訳にするとこんな具合になる。
「敵アメリカは今回、残虐な新爆弾を投下して、何の罪も過失もない非戦闘員の一般市民を、続けざまに殺し傷つけた。その無残な惨害の広がりは、どこまで行くか計算もできないまでになってきた。それでもなお日本がアメリカと戦いつづけるなら、結局このアメリカ新爆弾の残虐さによって、日本民族の滅亡を招くことになる。だけでなく、その延長上には人類文明の破却さえ考えられる。つまりこの新爆弾の使用によって人類文明は破滅して、最初から文明がなかったのと同じ状態になってしまうだろう」

とかく、天皇がお読みになられる公式文書などというものは、側近の誰かが書いたものをそのままお読みになるぐらいのものだと、考えがちだが、ま、あるいは人畜無害のような文書である東京オリンピックの開催宣言文などは、どなたの草案・清書になるものかは、全く知らぬところだが、この終戦の詔書は違っていた。昭和天皇自らの筆になる文書に相違ない。終戦いよいよ間近という昭和20年8月14日午後、今の官房長官にあたる、当時の内閣書記官長・迫水(さこみず)氏が、まず下書きを書いたのだが、これをご覧になった天皇陛下は、自ら筆をとって徹底的に手を入れ、ほとんど書き直した記録がある。その陛下の平和一途の思いが、先の引用文に表われているのである。陛下が手直しされたのは、この日の夜のひとときで、終戦で大混乱に陥っていた宮中での、ほんの一時間半足らずの間のことである。前記の内容は、そんな短い間に、ふと思いついて書けるような軽い内容ではない。時あたかも、広島に最初の原子爆弾が投下されて八日後、長崎に二発目が落とされて五日後のことである。軍上層部の人々や日本原爆開発に携わった科学者たち皆々、ショックにうなだれるばかりだった。

そのさなか、初めての恐るべき兵器に対する判断、しかも一国の元首の判断と予見として、自国民に対しては無論のこと、相手方のアメリカにも世界中にも、訳され、伝えられてゆく文章である。陛下お一人が、原爆のもたらす将来像を冷静な予見と、世界人類文明存続を慮(おもんぱか)って、自らの筆になる詔書をお読みになったのである。そのためには、それだけの深い説得力と思索と、原爆、核兵器についての的確な知識がなければとても書けないはずである。

陛下は、まだマルニと称して、仁科博士を中心とするチームが開発に真剣に取り組んでいる頃から、仁科博士と会って、その新兵器の恐ろしさを伝えられていた。仁科博士は元々、効率の極めて良好な世界初の原発を作る研究に熱意を傾けていたのだ。事実、この頃、仁科博士のもとへ、陛下からのお手紙が届いている。普通、たとえトップクラスの科学者に対してでさえ、天皇が直接手紙を送るなどということはない。それほど重大事であることを陛下は察し、仁科博士に問いただしたと推察される。

何気なく読み流しがちな、終戦の詔書。しかし、上記引用箇所にこそ、昭和天皇がお心を砕かれ、真に人類恒久平和を願い、また核兵器の開発使用に各国が夢中になる可能性を憂慮なされた証拠が記されていたのである。

また、大東亜戦争終結は、我が国にとっては敗戦である。しかし、陛下の御心からすれば、「戦争は大東亜戦争にとどめるだけでなく、今後のありとあらゆる戦争というものを、もはや世界中で終わらせねばならぬ」という、未来をお考えになった上での深慮遠謀にほかならなかったのだ。その陛下の思いが「敗戦」ではなく、「終戦」という言葉に込められていたことも、容易に察しがつくのではないか。

ミニ原爆さえも、人類平和の観点から断固阻止なさった昭和天皇であった。
だが、これほどの崇高なご意志にもかかわらず、我々は大切な心をいつの頃かどこかで見失って、目先の快楽にうつつを抜かすばかりの存在となってしまった。それが今の私たち人類なのである。

参考文献: 五島勉(ごとう べん)氏著「日本・原爆開発の真実」(祥伝社)






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最終更新日  2020.10.15 14:01:30
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