現在地に新築後、なぜか長いあいだ、前の家の様子を見にゆく気になりませんでした。
塾が仕舞屋(しもたや)と化してまもなく、2001年のある時、急に前の自宅のことを思い出して、見に行きました。第二東名高速の橋梁工事に引っかかって、完全に跡形もなくなるとは聞いていましたが、この頃、まだ跡地は残っていました。電信柱の向こうに雑草が茂るあたりに前の家がありました。
ただ、さら地になったあとに丈高い雑草などが生い茂り、元の家の間取りを確かめることはほとんど出来なくなっていました。
1979年、26の時、初めてバイク免許を取り、250ccバイクにまたがって記念撮影したことがありましたが、この時の写真の電信柱が、唯一の目印かも知れないと思い、当時をしのんでみました。
いろいろ問題のあった旧宅ですが、歳月を経ると、そのいくつかが『思い出』へと昇華されるのは、皮肉ではあっても、人の心を潤す何かがあるからと感じた次第です。