テーマ:こんなん知ってた?(300)
カテゴリ:グルメ(食について)
拙はずっと団地住まいだった。マンモス団地でA地区商店街なんてーのがあって、そこでは昔ながらの商店があったんで、八百屋が威勢のいい声を上げてたり、魚屋が魚を捌いてくれたり、土用の丑の日なんてーとうなぎを目打ちで止めては手際よく捌いて蒲焼になったり、それを飽きることなくじいっと眺めていたりした。
昨日はスーパーをぶらぶら歩いた。ぶらぶら歩いていて必ず欲しくなるのが コロッケとメンチカツ だと気がついた。 いざ買ってしまうと、お店の前での興奮ほどに欲しくない自分がいて、(毎度のことだけど)、サクサクのまま食べると冷たいし、ホクホクにするとベシャッとしてしまってげんなりするんで、店の前での興奮ほどには欲しくなくなっている。 それで、きのうはぶらぶらしながらA地区商店街を 突然に思い出した。
A地区商店街の入り口にお肉屋さんがある。我が家は残念ながらあまり肉の需要は無かった。エンゲル係数が上がるからね。 でも、いっつもお肉屋さんで美味しそうなにおいが立ち込めていたのは、店の前で油にザンブリと入れたコロッケが熱々で店頭で売られていたからだ。注文されてから入れるの。掻き入れ時は見込みで揚げるけど、基本的には注文してから、、それに注文してからパン粉をまぶすときもあった。 ほんのちょびっとひき肉が入っていてね。 このコロッケは憧れの的で、毎回必ずお母さんにおねだりをしてた。 でも食べられるのは根気強くやっても、滅多に・・・
確か20円くらい高いものに メンチカツ があった。 「これは美味しくないの」 母の言葉に従順に従ってたよ。
多分、日曜日。お父さんと一緒に商店街に来て メンチカツ を買ったんだと思う。しかも、家に帰る前に、路上でコロッケとメンチカツを頬張った。 「えっ!?今食べてもいいの?」 きっと目をキラキラさせながら聞いたと思う。 近くの公園のベンチでだったかな・・ 商店街の中の椅子でだったかな・・・ 信じないかもだけど、歩きながら食べるなんて日本人の常識には無かったんだから。マクドナルドに大人は顔をしかめたよ。 この メンチカツ の美味しかったこと。 ジューシーな脂が、ジワジワッと流れながら、玉葱の甘みと一体になって、「あふいっ、あっ、あふいっ」って夢中で頬張った。
いつの間にか夢中になっておねだりすることは無くなったけど、こんな経験がスーパーの惣菜売り場で潜在的な興奮として作用するのかと思った。
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