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カテゴリ:教育論
東京都には、私立中学が180近くある。
そのうちの40校から50校程度が事実上、生徒が集まらずに全入状態だという。 そんな東京を追うようにして、埼玉県でも私立中学が乱立している。 今後もこうした流れは続いていくというけれど、はっきり言って、その意義はどこにあるのだろうか。 中学から階層を分けるってことですよね?しかも学力で。 『階層は区切ればそのまま固定化する。』 この原則から言うと、12歳での階層分けは社会的に意義ある行為とはいえないのではないかと思う。 もちろん、上に突出した層または下に突出した層には適した環境を整えるべきです。 しかしながら大多数、全体の8~9割に該当する子どもにとって、階層分けのメリットはデメリットを上回れると言えるのだろうか。 授業時間数、面倒見、進学実績、偏差値、そういったメリット(売り文句)だけを耳にして、デメリットは考えたこともない、では目も当てられない。 階層分けのデメリットは当然、メリットと同じくらいに大きい。 限られたモノサシで育まれる狭き視野と、限られたタイプの人間としか接しないことによる排他的価値観。 固定化しやすい順位からくる劣等感と無気力、自分を認めてもらえないことからくる虚無感。 温室で雨風に晒されない環境で、栄養たっぷりに育まれた頭脳。 それは温室で雨風にさらされない環境でこそ輝くことでしょう。 では、温室で雨風に晒されない環境で、うまく育つことができずに遊んでしまった人はどうなるのだろうか。 学校は社会の縮図でなければならないと思う。 社会からあまりに離れた環境で青年期を過ごすことは、授業時間なんかよりもはるかに大きな何かを失いかねない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.30 03:10:52
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