カテゴリ:日本経済
バブルを考える(63)
長銀問題…2 スイス銀行との提携不調に終った長銀は、他行との合併に活路を見出そうとしました。あちこちの銀行に合併話を持ちかけていたことも、明らかになっています。 先ずは同じ長信銀の日本興業銀行に声をかけています。しかし、興銀は不良資産の多い長銀との合併では、共倒れになりかねないと危惧したため、話はまとまりませんでした。第一勧業銀行にも,話を持ち掛けますが、こちらからは、その日の内に断りの連絡を受けました。大和銀行との合併談も、にべもなく断られています。 長銀の合併相手、救済合併の相手として、最後に浮かんだのが住友信託銀行でした。ネックは長銀の未処理の不良債権の額でした。住友信託もまた、不良債権の処理に追われており、不良債権を抱えたままの長銀と合併したのでは、連鎖倒産に追い込まれかねなかったからです。 「長銀の不良債権は引きうけない。合併に当たっては、長銀側の責任で処理することになっている。」こう住信側は、言い続けました。発足したばかりの金融監督庁や日銀の検査で、債務超過でないと認定された場合は、通常の合併で、債務超過と認定された場合は、破綻処理の受け皿として、住信が営業譲渡を受ける。これが合併に向けての合意事項でした。 問題は、長銀の関連ノンバンク向けの巨額の不良債権の額でした。この連載の初期に登場した、不動産関連融資の焦げ付きを正常債権と見なすための、不良債権隠しに登場したノンバンク群です。日本リース、日本ランディングなどです。きっちり破綻処理すれば、長銀は債務超過になるのは見えていました。しかし処理せずには、合併話は進みません。 参院選に敗北して辞任した橋本内閣に代わって登場した小渕首相、宮沢蔵相にとっても、長銀問題はゆるがせに出来ない問題でした。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.03 01:32:41
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