カテゴリ:日本経済
バブルを考える(64)
長銀問題…3 長銀の関連ノンバンク向け債権の放棄、またはノンバンクの破綻処理は、住友信託との合併の前提条件でした。しかし、巨額の債権放棄をすれば、長銀は少なくとも、資本不足に陥ることは明らかでした。 過少資本に陥った長銀への公的資金投入なしに、合併することも出来ません。それは住友信託にとって、マイナスの効果しかなく、合併のデメリットだけが残ることになるからです。 ノンバンク向け債権の放棄は、長銀が判断すれば良い事ですが、そのために公的資金を投入することは、果たして社会通念上、認められるかという問題がありました。 しかも住友信託との合併は、事実上の救済合併ですから、合併比率は当然ながら住信が有利となります。長銀に注入する公的資金は、当然ながらその一部が毀損することは、明らかでした。将来戻ってくるはずの公的資金が毀損することは、ノンバンク向け以外にも、処理しなければならない不良債権が、なお長銀には残っていることを、証明する効果を持ちます。 長銀は実質債務超過である。その長銀に厚化粧を施して、強引に合併させるのか、そんな批判が噴出するのは、間違いのないところでした。 それでも蔵相の宮沢は、事務局の用意した、この案承認しました。宮沢は合併ではなく破綻処理を選択した場合、長銀の資産の劣化が急速に進み、納税者負担は、合併よりも遥かに大きくなることを危惧していたのです。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.04 11:38:23
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