カテゴリ:国際経済
TPPとISD条項 (4)
先へ進む前に、「何故米国では、1社独占の保険会社にのみ有利な、医療保険体制が続いているのか」という質問に、お応えしたと思います。 米国の国会議員も、日本の議員と同じく、票を握った圧力団体と大口献金者には、極めて弱い体質を持っています。医療保険会社や石油メジャーは、ユダヤ系団体と同じく、強力な圧力団体として、議員たちを縛っているのです。 その上、医療保険会社の幹部や元幹部には、上院や下院の議員も多く、自社の権益を守るために、州における医療保険に、競争原理を持ち込むような改革は、強力な反対運動やロビー活動によって、潰しているのです。 さて、日本も加わったTPP交渉がまとまり、そこにISD条項が含まれたとするとどうなるか。日本の医療保険は、国民皆保険を実現していますから、米国の医療保険が参入したとしても、日本国民の側に、米国型医療保険と契約するメリットはありません。 すると、米国の保険企業は、理不尽な言いがかりに過ぎませんが、日本の皆保険制度のおかげで、期待した利益を得られなかったと、日本政府を訴えることがありえるのです。 これは全く理屈に合わない、メチャクチャな主張です。しかし、カナダのケースを思い起こしてください。米国の農薬企業の無茶苦茶な主張が認められ、カナダは法改正に追い込まれたではありませんか。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[国際経済] カテゴリの最新記事
|
|