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カテゴリ:宮部みゆき作品
宮部みゆきの『誰か Somebody』と『名もなき毒』を原作とするTBS系「名もなき毒」が7月8日から9月16日まで毎週月曜日午後8時に放映されました。
前にこの時間帯に放映された宮部作品を原作とする「パーフェクト・ブルー」が今一つだったこともあり、今回の「名もなき毒」もあまり期待せずに見始めたのですが、どうしてどうして、これまで見た彼女の作品を原作化したテレビドラマとしてはNHKの「茂七の事件簿」シリーズに匹敵する優れた出来栄えだったと思います。 主役を演じた杉村三郎役の小泉孝太郎が原作のイメージにピッタリの好演技でしたし、 梶田聡美(深田恭子)、梨子(南沢奈央)姉妹のなんとも複雑な人間関係もよく描かれていました。原田いずみ役の江口のりこの狂いぶりは凄過ぎるくらいリアルでした。また地味ですが貧しくて孤独な青年役を演じた君嶋麻耶の幸少ない姿にも強い印象を与えられました。それから今多コンツェルングループの広報室編集長の園田瑛子(室井滋)や喫茶店睡蓮マスターの水田(本田博太郎)等も脇を固めて好演していました。 全ての人間の心の奥深くに存在する「名もなき毒」を描いた宮部みゆきの原作を今回のテレビドラマは見事に映像化し、視聴者の心の奥底にずしりと重いものを残したと思います。視聴率としてはあまり高いものではなかったようですが、このテレビドラマの放映時間帯が月曜午後8時ということを考えればそれも仕方がないと思います、いや、それよりよくもこの時間帯にこのような作品を放映したものだとテレビ局の判断に驚ろかされ感心させられました。 なお、宮部みゆきの原作『名もなき毒』については、拙サイト「私の宮部みゆき論」に「『名もなき毒』に見る身体に潜む毒」と題してアップしています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年09月17日 11時15分34秒
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