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カテゴリ:TZR250(3MA) メンテ
我が3MAのエンジンが壊れた原因の検証の件ですが、チャンバーを外してピストンの状態を確認した時にミ○シィにそのピストンの画像を載せたところ、あるエンジニアとして崇高なお方様からご質問をいただきソレに恐縮しつつもワタシが返答した文をココで紹介いたします。 はい・・・思いっきり手抜きブログです、二度書き込むことが面倒臭かっただけなんです、すみません(苦笑) ---------------------------------------------------------------------------------- 後方排気(3MA)の件ですが、暖気後まもなくの走行で最初のアクセル全開を試みた時に異変は起こりました。明らかにパワー感はなく、パワーバンドに入る8千回転でアタマ打ち、その後は片肺になったような症状でアクセルオフにするとアイドリングすらも出来ない状態でした。完全焼き付きみたいにクランクロックすることはなかったから幸いだった・・・というか、パワーバンド上での異変ではなかったコトから直感的に軽い抱き付き(?)ていどだとは思ったのですが、キャブのジェットセッティングで大きな絞り方をしたつもりは毛頭なかっただけにちょっとショッキングな出来事ではありました・・・ で、いきなりの結論ともいえる原因とおぼしきコトを申し上げますと、ピストントップリングの位置決めピン(回り止めピン)を飛び越えての『ピストンリング回り』が原因の様ですぅ。 改めてダメージを負った方のピストンのトップリング位置決めピンを観察しましたら、磨耗した形跡は別段ないにもかかわらず、ダメージのない方のピストンと比べてピンの出っ張りが少なく(浅く)、正常な新品ピストンリングを掛けてみて計測してみた結果、リングの切り欠き部をピストン側面とほぼツライチまで沈み込ませてもピンへの引っかかりはごくわずかであったコトが判明いたしました。 元々がそうだったけれども運良く今まで掃気ポート&排気ポートまで回らなかったのか、もしくは何らかの要因で位置決めピンがピストン内部により深く沈み入ったのでついにクルクル回り始めたのか(?)は定かではありません。 ワタシの後方排気のエンジンは新車出荷当時からシリンダーとピストンは交換したコトがない(過去の水害水没でクランクシャフト自体は交換経験アリ。)のですが、ピストンリングは自分で交換したコトが2度あります。 後方排気エンジンには製造公差の関係で製造出荷時にはシリンダーは4サイズ(A~D表記)、ソレに合わせてピストンも4サイズに振り分けられていた中で組み立てられたそうです。しかし、ピストンリング自体は1種類しかなく、ワタシのエンジンは『Dタイプ』シリンダー(一番デカ目タイプ)だったコトもあり、元々そうなりやすいタイプだったのかもしれません。 今となっては・・・というより当時からシリンダーやピストンを新たに部品発注してもこのサイズを指定するコトはできず、左右シリンダーを同時注文しても同じ表記サイズのモノが納入されるとは限らなかったそうです。ましてやピストンの方はというと、表記すらされていないのでどのシリンダーと相性が良いのかも分からないシロモノでした。 ですから、後方排気に限って言えば、シリンダー&ピストンを新調してO/Hされたエンジンこそ最も怪しいシロモノ、だといえなくもないそうです・・・<(_ _)> 以上、ワタシが返答した文章から抜粋 ---------------------------------------------------------------------------------- で、ヘッドご開帳。 右ピストンのアタマの様子。 画像下側が排気側。ピストン端が見た目だけでもすでに怪しくなっている、が、デトネった表面肌とは異なる。 右(2番)シリンダーは縦キズでズタボロ。 ピストントップリングは蹴り上がり、ピストントップのショルダー上まで突き抜けていた。また、セカンドリングはピストン側面と一緒に削られ「一体化」してしまったような状態。 赤○囲い部分が本来トップリングの合い口部が留まっている回り止めピンが入っているトコロ。ピストンが摺動を繰り返すシリンダー内表面上で、このピン位置は掃気&排気ポートの口が開いていない箇所で固定されているワケだ。 がしかし、どういうワケか今回は、そのピンを飛び越えてピストンリングの合い口が回り出し、開口部幅のかなり大きい後方斜め45度付近の掃気ポートと真後ろのメイン排気ポートで引っ掛けてピストン、シリンダー内壁にダメージを負わせた模様。 ダメージの様子から見て、まずトップリングの合い口は「右回り」をし始め、比較的開口幅の狭い前方中央掃気ポートや右サイド掃気ポートは何とか事なきを得たが、さらに進み開口部の大きい右側後方斜め45度掃気ポートを通過した時についに合い口を引っ掛けた。と同時に、その頭上に開いているサブ排気ポートにもダメージを起こさせ、さらに千切れても尚留まり続けたピストンリングの千切れ端がさらに排気ポートの中央付近で大暴れ・・・で、このザマになる、みたいな。 右(2番)YPVSバルブ。3MAの太鼓型バルブの中央付近は、排気ポート開口部付近でシリンダー壁面とかなり接近しているしクリアランスは結構シビアなので、リングが排気開口部で折れた衝撃でYPVSバルブとのクリアランスがなくなってしまったモノと思われる。赤○囲い部分が干渉していたが、幸いにして歪みはまぬがれたみたいだから再使用できそうだ・・・ホッ。 千切れたリングの破片がシリンダーヘッドに付着していた・・・ が、全体を見渡してもダメージらしきモノはなく一安心。 そして、大きなダメージはなかった・・・はずの左(1番)シリンダーだったが・・・ 爪で触って引っ掛かるほどではないにせよ「何とな~く」な縦キズと、排気ポート開口部上面直近のシリンダー内壁に「むしれ」を発見した。 ちょうどソレと当たる同じ箇所のピストンの排気側にも小さな凹み箇所があった。かつて何かの異物がココに入り込んだのだろうか? それと、そうそう!今回のエンジン壊れに直接関係しているワケではないのだろうが、左側(1番)のスパークプラグのソケット部がほとんどもげそうになっていた。プラグを緩めて指で回していたらポロリと・・・中身のシャフトのサビ具合もあって生きている太さは1/5程度しかなかった。知らない、というコトはある意味幸せである・・・ あ!残り文字数がないので・・・『つづく』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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