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テーマ:不思議な世界(697)
カテゴリ:不思議な世界
超能力者列伝38(清田益章)
火星に着陸したバイキング1号から送られてきた影像には、二つの変わった写真が含まれていた。一枚には、火星の地表で「石が動かされたような跡」が写っていた。もう一枚は、火星の岩に「2」「B」「G」と読むことができる文字が写っていた。 森達也は清田に聞いた。「火星に行ったことあるんだよね?」 清田は答えない。森が再度聞く。「行ったことがあるんだろう?」 清田はため息をついた後、ふてくされたような口調で答えた。「・・・あるよ」 森の「誘導尋問」に、清田はしぶしぶと「真相」を明らかにしていく。火星にテレポートした清田は、バイキングの地表探査機のカメラの前で手を振ったり、地表の石がどれくらい重いのか知りたくて引きずったり、石を蹴飛ばしたりしたという。 森は、「2」「B」とも判読できる文字について「あれは誰の仕業なの?」と聞いた。 「・・・聞いてるだろ? 俺だよ。砂に指で書いたんだよ」と清田。 「意味は?」 「単純だよ。中2だったんだよ。二年のボーイで2Bだよ。KIYOTAって書けば良かったよな。でもさすがにそれは躊躇(とまど)ったんだよな」 では「G」とも読める文字はなんだったのか。清田は森に言う。「・・・2Bの後に、日本の頭文字も書こうとしたような気もするんだよな」「それをGって書いちまったという気もするんだけど、でも俺、当時英語はけっこう得意だったから、いくらなんでもそんな間違いしねえだろうとも思うんだよな」 森が聞く。「だって自分の体験だろ?」 清田は言う。「最初から最後まで意識がはっきりしていたわけじゃないよ。おまけに20年前だからな。夢という可能性もあると自分では思っているよ。ただ、2Bを砂に書いたことははっきり覚えてるぜ。そして探査機が撮った火星の表面に同じ文字があったということは事実なんだろうな。偶然かもしれないよな。僕にはそれ以上はわからないよ」 あくまでも主観的な体験であって、客観的事実ではないかもしれないと清田は弁明する。確かに矛盾はある。文字らしきものが写ったバイキングの写真を見ると、「2」や「B」が書かれているのは、岩の表面であって、清田が主張するような砂の上ではない。もっとも、スプーンを飴のように曲げる清田にとっては、岩も砂も同じようなものであったのかもしれない。岩のようにみえる物体も、実は砂のように軟らかかった可能性もある。 空気がないといわれる火星で、どのように息をしていたのかも気になるところだ。清田は当時、ある雑誌の取材に対して「火星では、僕の周囲に透明なプラスチックのドームがあって守ってくれたんだよ」と述べている。一度目に火星にテレポートしたときも「宇宙服」のようなものを着ていたというから、何かフォースフィールドのようなものが形成されていたのだろうか。 (続く)=文中敬称略 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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