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白山菊理姫

白山菊理姫

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2005.12.17
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カテゴリ:雑感
今朝、捨て猫のシロが友人の家で死んだ。

今年春ごろから突如、友人宅の庭先に姿を現すようになっていた。ちょうど近所のアパートが取り壊されたころだ。
エサをやったが、なかなか警戒を緩めず、近づくと「フーッ」と鳴いて逃げた。

夏が過ぎ、秋になった。
肌寒くなったので、友人は発泡スチロールの家を作ってあげた。しかし、シロがなつくことはなかった。

冬になり、寒波で体力が弱ってしまったのだろう。
3日前の水曜日、車庫の高いところに置いてあった猫の家で、シロは寝ていた。近づいても逃げようとしない。友人が外出先から帰っても、シロは逃げなかった。

しかし冷え切った体は、エサを受け付けなくなっていた。
家の中に入れ、部屋を温かくして、フカフカのベッドを作ってあげた。
白かった毛は、ウンチやおしっこで黒く汚れ、臭いが部屋中に広がった。
まぶたは目ヤニでくっついて、ほとんど開かない。耳には、オス同士のケンカで負ったとみられる傷があった。

夜を徹した、介抱が続いた。

体温が32度まで下がっていたシロは、医者に診せても、温めてあげても、スポイトで水を与えても、回復することはなかった。

小さな火は3日目の朝、友人に看取られながら、静かに消えた。

外は冬。人間が気づかないところで、命はひっそりと消えていく。
ゴメンね、人間に裏切られたんだね。
人間って、勝手だね。

人間が犯し続ける魂の重罪。その罪があがなわれることは、断じてない。

救えなかった命。越せなかった冬。
悔しさと悲しみが鏡の池に満ち、涙のしずくは心に響くばかり。

ゴメンね、シロ。むくろは明日、桜の木の下に埋められます。

春の桜の咲くころは、君のことを思い出すね。





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最終更新日  2005.12.17 19:15:56
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