4832204 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

天の王朝

天の王朝

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

サイド自由欄

設定されていません。
2006.02.02
XML
カテゴリ:メディア
▼他人の褌
「他人の褌で相撲を取っているような会社になぜ入ったのだ」
私は父に共同通信社の記者になると報告したときに、こう言われた。普通の父親なら就職が決まって喜んでくれそうなものだが、私の父は平凡な父親ではなかった。
しかし他人の褌という言葉を聞いて、私は思わず苦笑してしまった。言いえて妙な言葉であったからだ。

ではなぜ、共同通信社が「他人の褌で相撲を取っている」のかを説明しよう。

それを端的に示しているのが、共同通信社富山支局が北日本新聞社の四階にあるということだ。支局が他の新聞社の中にあるというのは尋常ではない。読売新聞が朝日新聞社のビルに中にあるようなものではないか。それでも共同通信社の支局は、ほとんどが地元新聞の中にあるのだ。

理由は簡単だ。共同通信社が他のメディア、とりわけ地方新聞社に経済的に依存しているからである。共同通信社は営利企業ではなく、北は北海道新聞から南は沖縄タイムズまで全国の地方・ブロック新聞やテレビ放送局などに加盟してもらい、その加盟料(つまり他人の褌)で運営されている。加盟社とは運命共同体。加盟社がなければ、活動ができない社団法人なのだ(営利目的の情報サービスを提供する株式会社共同通信社もある)。

かつては朝毎読など全国紙も加盟していたが、国内報道は自前でまかなえるとして脱退、その代わり共同通信の外電(外国のニュース記事)だけ契約している。よく「ワシントン=共同」などのクレジットがついているのが、共同通信社が配信している記事だ。加盟料はそれぞれの新聞社の発行部数や業績によって異なる。大口の加盟社は、NHKや日本経済新聞である。

共同通信の前身は、戦前、戦中と日本政府の宣伝・報道を手がけていた同盟通信社。政府の情報広報機関として強大な力を持っていたが、戦後GHQは同盟通信社を弱体化させるため、一般報道部門を共同通信社に、経済情報部門を時事通信社に、そして広報・宣伝部門を電通に分割した。その際、電通の暴走にある程度の歯止めをかける思惑もあり、共同通信社が電通株の25%を保有して筆頭株主となり、時事通信社がそれに次ぐ24%の電通株を保有した。

後にその電通も上場したが、その際共同通信は保有する電通株の一部を売却、潮留のビルに引っ越したと聞いている。本社はさすがに、虎ノ門にあったころから自社ビルであった。

そのような歴史のある共同通信社の富山支局に赴任したのは、ゴールデンウィーク最中の五月はじめ。長かった冬も終わり、富山にも春の気が満ちあふれていた。JR富山駅南口から放射線状に延びている道の一つをたどりながら10分ほど歩くと、四階建ての北日本新聞社ビルが右手に見えてきた。他社の建物――まさに他人の褌そのものであった。そして、その建物こそ、私がその後3年間の記者生活を過ごす職場となったのだ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.02.02 08:54:36
コメント(8) | コメントを書く


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…
たぬき@ Re:サノノミコト(神武天皇)になぜ神が付いたのか(07/29) ジンム。と読まずに 大和言葉風味、古代語…
正木 ベータ@ Re:不思議な世界(その94)(05/13) こんにちは。初めてコメント致します。 不…

お気に入りブログ

竹内睦泰の超速!日… New! 第七十三世武内宿禰さん

広島訪問 Grulla Me… convientoさん

氣のワーク研究所 朝日6844さん
窓辺でお茶を heliotrope8543さん
ひめのゆめ活動日記 ひめのゆめさん

カレンダー

バックナンバー


© Rakuten Group, Inc.
X