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テーマ:メディアって何だ!?(204)
カテゴリ:メディア
▼カンカラコモデケア
先日恐喝罪で起訴された“一夫多妻男”は、女性にもてる呪文を使ったそうだが、おそらく新聞記者志望者なら誰でも知っている呪文。それがカンカラコモデケアだ。これは入社試験の作文に効果を発揮するだけでなく、実際に新聞記者として雑感や企画モノを書くときも役に立つ。 この呪文の提唱者は、毎日新聞の名文記者といわれた故山崎宗次だ。一線を退いた後、マスコミ志望者のための私塾で新聞記者の文章の極意として教えていた。 ご存知ない方のために、簡単に説明しよう。 「カン」は感動。すべてが記者の感動から始まる。それを読者に伝えようと思うのがジャーナリズムの原点である。 「カラ」はカラー、カラフル。鮮明な情景を読み手に伝えるため、原稿に実際に見た色彩描写を入れる。先輩記者の文章を例文としてあげれば、「夜空を焦がす真っ赤な炎」となる。 「コ」は今日性。昔のことを書くにしても、現在につながる話でなくてはならない。過去にこういうことがあって、では今はどうなっているのかに焦点を絞らないと、話題性はない。いかに今日の話題として取り上げるかは、記事を書く上で非常に重要である。 「モ」は物語性。同じ大根でも、畑でとれる大根とアスファルトの道路を突き破って成長した大根では話が違ってくる。道路わきに咲く花でも、何かのストーリーがあればそれでも立派な記事になる。人は物語に感動するものである。結果の裏に隠された一つ一つの真実を掘り起こしてゆけば、必ず物語は生まれるはずだ。NHKが放映していた番組『プロジェクトX』も物語が売りであった。 「デ」はデータ。データや統計があれば客観性が増す。日時などの正確な事実や、誰がそう言っているのかの正確な記録・取材メモもデータだ。信頼のおける原稿にするため、データの引用は不可欠である。 「ケ」は決意。信念や決心をちりばめた文章には説得力がある。それは書き手の気迫のようなものだ。 「ア」は明るさ。暗くていじけたような文章では読み手の心を捉えるのは難しい。 以上が魔法の呪文。いい文章を書く極意だ。あとはこれを実践すればいいだけ。 さあ、今度こそ! これであなたも新聞記者だ! (編注:う~ん、かなり明るい締めですね) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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