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テーマ:歴史なんでも(780)
カテゴリ:歴史散歩
諏訪大社の御頭祭は、毎年4月15日に上社前宮の十間廊で行われる奇祭です。
春の耕作前に地母神であるミシャクジの神に豊作を祈念する神事なのですが、かつてはウサギやシカ、イノシシが供される贄(にえ)の神事でもあったそうです。 江戸時代の国学者で紀行家の菅江真澄が残した資料には次のように書かれています。 ・十間廊に鹿の頭が75頭分、まな板の上に並べられ、神長官が葦の束を解き、葦をバラバラにして敷くと、そこに御杖柱(みつえばしら)と呼ばれる先の尖った杖、長さ1メートル50センチほどの柱が立てられます。 ・そこへ「御神(おこう)」と呼ばれる八歳ほどの子供が紅の着物を着て現れます。人々は力を合せて、その子を御杖柱に手を添えさせたまま押し上げて葦のむしろの上に置きます。 ・裃(かみしも)を着た男が小さな綿の袋から藤刀を取り出して、抜き放ったものを神官長に渡します。 ・神官長が藤刀で柱に刻みを入れたり、枝を結んだりするなどの儀式を行い、神官たちが祓詞(はらえことば)を奏上します。 ・北にある神子屋から奏せられ、柏手が三つ聞こえると、神楽が止みます。すると、神官長が桑の木の皮をよって結んだ縄を子供(御神)に掛けます。そのとき、周りの男たちが「まず、まず」と声を掛けます。 ・燭台の灯りの中で、箱に入った祝文を読み終えると、礼服を着た男が「御神」を背負って退出します。 ・ここで「諏訪の国の司」の馬を速く走らせ、その後を、御贄柱を担ぎ、「御神」を背負った男が続きます。同時に「お宝」と言いながら、袋に入れた鈴を木の枝にかけた男がゆっくりと走り、七回回ると、皆帰ってしまいます。 ・縄を掛けられた「御神」は、神官長の屋敷にある神社の前で縄を解かれて、解放されます。 以上が御頭祭の概要ですが、何とも奇妙な祭です。聞くところによると、この祭りを司る神官長ですら、この祭りの儀式が何のことなのか、正確にはわからないといいます。 しかしこの難解な儀式の謎を解くヒントになりうるのが、『旧約聖書』に書かれた「イサク奉献伝承」なんですね。 (続く) ところで昨日、秋山氏から面白い話を聞きました。 なぜ1923年に関東大震災があってから現在に至るまで、関東で大震災が発生しなかったかというと、関東地方に住む人々の顕在意識の中にはまだ、大震災に対する危機感が残っているからではないかというんですね。 逆に言うと、そこに住む人々の顕在意識から危機感がなくなり、潜在意識に落とし込まれてしまうと、大地震が起きやすいということになります。 「天災は忘れたころにやって来る」とはまさにそのことを言っているわけですね。 実はこれこそシンクロニシティのメカニズムなのではないでしょうか。 昨日の講演会では一年半以上前に出版された、秋山氏との共著『シンクロニシティ「意味ある偶然」のパワー』も五冊だけ持って行ったのですが、アッという間に売れてしまいました。 シンクロニシティという因果律に基づかない現象に興味を持ち、真剣に学んだり研究したりしてくれる人が増えてくれればいいなと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.09.10 18:27:26
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