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テーマ:旅のあれこれ(10123)
カテゴリ:歴史散歩
12月24日の水曜日。クリスマスの前日ですね。
ニースのユースホステルをチェックアウトします。 しかし間もなく、暖かい気候とは裏腹に、南仏では私は結構厳しい試練に直面します。 まだ全行程の3分の1ほどしか進んでいないことがわかり、私は先を急ぐことにしたのですが、不測の事態が起こったんですね。 高級リゾートが続く紺碧海岸ではヒッチハイクがかなり難しいことが判明したんです。 それはそうです。自分の富を危うくする可能性がある、得体のしれない人物を、裕福な人たちが車に乗せたいはずがありませんものね。 特にバックパッカーは高級リゾートではあまり快く思われません。 南仏では私は、ヴェトナムからの難民か移民とよく間違えられました。 確かに私も冬休み中は寮を追い出されたわけですから、「冬休み難民」であることには違いありません。 私がヴェトナム人ではなく日本人だと言うと、ほとんどの人が驚いていました。 経済大国で金持ちの日本人がバックパッカーをしているのは、多分南仏では珍しかったのでしょう。 紺碧海岸でのヒッチハイクは本当に困難を極めました。 ここなら止まるだろうと思った場所で待っても、一向に止まってくれません。 たいていは一時間くらい待てば、一台くらいは必ず止まってくれるのですが、ここでは二時間待っても一台も止まらないこともありました。 それでも少数ですが、気にかけて止まってくれる人がいました。 乗せてくれた人は、「ここではヒッチハイクは難しいよ」と教えてくれます。 金持ちを狙った犯罪も多いので、皆警戒しているのだとか。 「ピストルを持って脅されたら、おしまいだからね」と言います。 そこで私がふざけて内ポケットからピストルを取り出す真似をすると、「おいおい、冗談はやめてくれ」と真顔で言われてしまいました。 それだけ犯罪が現実味を帯びているということなのだと理解しました。 そういえば、米仏間の麻薬密売事件を題材にした米映画『フレンチ・コネクション』の舞台となったマルセイユも南仏で、ニースなどの紺碧海岸のすぐそばです。 犯罪組織があちらこちらで暗躍しているのかもしれません。 この日は、ニースから映画祭で有名なカンヌの先の「ル・トラヤ(Le Trayas)」までの約53キロをヒッチハイクで移動したのですが、朝早く出たにもかかわらず、ル・トラヤのユースホステルに辿り着いたのは、午後5時近くでした。 地中海を望む崖の上にある、とても素敵なユースホステルです。 チェックインすると、年配の白髪の男性がホストとして迎えてくれました。 空室があるそうです。 ちょうどクリスマス・イヴの晩餐会を開催するというので、私も参加させてもらいました。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.12.14 11:28:18
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