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テーマ:旅のあれこれ(10123)
カテゴリ:歴史散歩
元日の朝、簡単な朝食を取った後、アニェスはブリ―ヴの駅から電車でパリへ、私はヒッチハイクの旅の最終目的地であるボルドーへとそれぞれ向かいました。
アメリカ人のグループはどこへ行ったのかわかりません。気づいたらいなくなっていました。 真冬のヒッチハイカーの私よりも過酷な旅を続けていますね。 ボルドーはブリ―ヴの西にありますから、ユースホステルのある町の東外れから、西外れまで歩いて行かねばなりません。町の中心部を通り越して、西へとひたすら歩きます。 郊外に程よいロータリー(環状交差路)を見つけたので、ボルドー行きの道を見つけ、その分岐点で車を待つことにしました。 20分ほど経ったでしょうか。 ロータリーの反対側から2台の白バイに乗ったフランスの警察官がこちらに向かってやって来るのが見えました。 どうしたのかなと思って彼らを見ていると、何と私のところまでやってきます。 客観的に考えたら当然ですよね。 元旦早々、変な東洋人のバックパッカーが一人ヒッチハイクをしているのは実に怪しいことです。 私もそう思います。どう見ても職務質問の対象になってしまいます。 白バイの二人は私のそばに止まって、身分証明書を見せてくれとフランス語で言います。私がリュックの奥の方に仕舞っておいたパスポートを取り出して見せると、「フランスで何をしているのか」と聞いてきます。そこで私はもう一枚の学生証を渡して、「私は日本人だが、イギリスのケント大学の学生で、冬休み中にヒッチハイクをしてフランスを旅しているのだ。専攻はフランス文学だ」と伝えます。 学生証を見た警察官は「イギリスの学生か」と言ってうなずくと、学生証とパスポートを返してくれました。 ちなみにイギリスはフランス語で「l’Angleterre(ラングルテール)」と言います。 国名には女性系の定冠詞が付くので「La」(この場合は「L’」)が付いています。 直訳すると、「アングル族(5世紀以降北ドイツから英国の移住したゲルマン族)の土地」となります。 彼らは私の説明に納得すると、元日の風のように颯爽と去って行きました。 ちょっと緊張しましたが、フランス語で職務質問に答えるという経験ができて良かったです。 できれば、私の専攻がフランス文学と言ったときに、どの作品が好きなのかくらいは聞いてほしかったと思いますが、そういう突っ込みはありませんでした。 この日は、その後まもなくヒッチハイクに成功、何回か車を乗り換えて、それほど苦労せずにボルドーに到着することができました。 このあとはカンタベリーまでの電車のチケットがありますから、足の心配をする必要がなくなります。 なんとか、生きてボルドーまでたどり着きました。 ブリ―ヴからボルドーまでの推定移動距離は、200キロ強でした。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.12.29 17:09:04
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