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テーマ:旅のあれこれ(10119)
カテゴリ:歴史散歩
キュービスムについても述べておきましょう。
20世紀初めにフランスで興った美術運動で、物体を球体・円錐形・円筒形の基本的形態に分解し、それを点・線・面で幾何学的に再構成する画法です。 ピカソ、ブラック、グリスらに始まりレジェ、フレネエ、ドローネーらを巻き込み、アポリネールが総合的に推進したとされています。 実はこのキュービスムも、オカルトと酷似しています。 たとえば易経では、宇宙の森羅万象を八つの基本的特性に分解して、それぞれに幾何学的なシンボルや数字を見出して宇宙の今の状態を知り、未来を占います。 具体的に言えば、球体は天でもあり、数字の1であり、北西であり、色はグレーであるという「乾」の性質を持ちます。 同様に円筒形は木でもあり、数字の4でもあり、東でもあり、色は緑・青という「震」の性質を持ちます。 円錐形は山でもあり、数字の7でもあり、北東でもあり、色は藍色という「艮」の性質を持つ――などと言った具合です。 このように易は、あらゆるシンボルは宇宙の共通言語として存在していると考え、それを8つのチャンネルに分けて、その組み合わせである64の卦を出して、今ある世界や宇宙の状態や流れを知り、未来を占います。 宇宙的構造を理解して、世界を究極的に解明していくものが易であり、オカルトであるわけですね。 それを文学、とりわけ詩によって実現しようとしたのが、19世紀のフランスの詩人ステファン・マラルメ(Stéphane Mallarmé)です。 このブログをずっと読んでくれている方ならご存知だと思いますが、かつてマラルメに(取材をするように)呼ばれたような気がして、わざわざ彼のゆかりの地を訪ねてフランスを旅したことがありました。 そのマラルメです。 彼は偶然を排した完全かつ完璧な宇宙的構造を持つ詩を書けば、世界を解明できると信じて、生涯にわたりその詩を追い求めました。 彼が到達した一つの答えが、亡くなる一年前の1897年に書いたとされる「骰子一擲」あるいは「サイコロの一振り」とも訳される前衛的な詩「UN COUP DE DÉS JAMAIS N'ABOLIRA LE HASARD」でした。 超難解な詩とされていますが、オカルトを知っているとある程度は理解できるようになります。 次回はこの難解詩をご紹介しましょう。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.01.20 17:55:05
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