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テーマ:旅のあれこれ(10123)
カテゴリ:歴史散歩
ユーゴスラビアの首都ベオグラード行きの夜行列車で出会ったボーイスカウト・ガールスカウト風の少年少女たちは、真夜中になる前に、どこかの駅で皆降りて行きました。
コンパートメントの中は再びガラガラです。 ですから、再び足を伸ばして眠ることができるわけです。 その後、ほとんど誰にも邪魔されることなく、眠りに就くことができました。 夜が明けて、3月31日の朝がやってきました。 車窓からはユーゴスラビアの風景が見えています。 と言っても、どのような風景だったかは全く記憶からなくなっています。 やがて列車は、ユーゴスラビアの首都ベオグラードに到着しました。 ここで列車を乗り換えて、ギリシャのアテネ行きの列車に乗らなければなりません。 しかも、ベオグラードーアテネ間の乗車時間は19時間以上あります。 かなりハードな長旅になりますね。 時刻表を見たら、アテネ行きの発車時間まで二時間ありました。 そこで、その時間を有効に使って、気分転換を兼ねてベオグラードの町を見て歩くことにしました。 途中下車休憩みたいなものですね。 ベオグラードは、ヨーロッパ最古の都市の一つです。 考古学的には紀元前6千年紀には人が居住していたことがわかっているそうです。 ドナウ川とサヴァ川が合流する丘陵地帯にあり、古くから西洋と東洋を繋ぐ主要な交易路の上にありました。 駅の改札口を出た私は、駅舎内にある地図を探して、大体の駅の場所や地形を確認すると、サヴァ川に向かって歩いてみることにしました。 北東の方向に15分ほど歩くと、川辺に出ました。 そこに架かる橋を渡ったかどうか覚えていませんが、川のそばにパン屋さんか喫茶店のようなお店があったので、朝食を採ろうとそこに入ってみることにしました。 ところが店に入るや否や、よそ者を半ば敵視するような冷たい視線を受けます。 おそらく当時は、ベオグラードに来るアジア人などほとんど見かけなかったのでしょうね。 「お呼びではない」という感じでした。 ちょうどその年の1月1日にボルドーのユースホステルの炊事場で、港湾労働者風の人たちから浴びた視線によく似ていました。 ユーゴスラビアで私を歓迎してくれたのは、前日の列車の中の少年、少女たちだけだったようです。 居心地が悪かったので、その店では何も買わず、駅に戻って、駅の売店で食料を調達することにしました。 かくして散歩は4、50分ほどの「冒険」で終わりました。 逆算すると、ベオグラード発午前10時ごろのアテネ行き列車だったと思います。 その列車に乗り込むと、19時間を超える長旅が再開されました。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.04.25 17:52:20
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