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テーマ:旅のあれこれ(10123)
カテゴリ:歴史散歩
クノッソス宮殿を有名にしたのは、ギリシャ神話です。
ギリシャ神話では、ミノス(ミノア)王はゼウスとエウロペの子として登場します。 王位継承の証として立派な雄牛をくれるようにポセイドンに頼んだミノス王は、その雄牛を生贄に捧げると誓ったにもかかわらず、雄牛の美しさに目がくらみ、別の牛を生贄にしました。 怒ったポセイドンは、ミノスの王妃が雄牛に恋情を抱くようにさせます。 王妃は雄牛と通じて子供を産みましたが、その子供は何と人間の体に牛の頭が付いた怪物だったんですね。 これが、ミノスの雄牛「ミノタウロス」です。 これを知ったミノス王は、発明家のダイダロスに命じて迷宮を造らせ、ミノタウロスを閉じ込めます。 その迷宮こそクノッソス神殿であったというんですね。 ギリシャ神話のミノタウロスは、日本神話の八岐大蛇を髣髴とさせます。 当時クレタ島のミノス王の支配下にあったアテナイ(アテネの古名)は、毎年怪物ミノタウロスへの生贄として7人の若者と7人の乙女を捧げさせられていました。 8人の娘を毎年、八岐大蛇に生贄として捧げなければならなかった話と酷似していますね。 日本神話ではスサノオが登場しますが、ギリシャ神話で登場するのは、後にアテナイ王となる王子テーセウスでした。 生贄の話を聞いて憤りを覚えたテーセウスは、自ら生贄の一人となってクレタ島に乗り込み、迷宮の怪物を倒そうとします。 このとき、テーセウスに恋をしてしまったのが、クシナダヒメならぬ、ミノス王の娘アリアドネでした。 その恋ゆえに、彼女はテーセウスにミノタウロスを殺す手段と迷宮からの脱出方法を教えて助けるんですね。 怪物を退治したテーセウスは、アリアドネを妻にすると約束、彼女とともにクレタ島を脱出、アテナイに向かいます。 ところが、帰路の途中、ナクソス島に寄った際、テーセウスはアリアドネを置き去りにして、船を出航させてしまいます。 その理由は二つ考えられていて、酒の神ディオニュソス(バッカス)がアリアドネに一目ぼれして、レームノス島にさらってしまったという説が一つ。 もう一つは、テーセウスがアリアドネに飽きたから置き去りにしたという説です。 どちらかはわかりませんが、後者だとしたら、出雲神話の大国主とヤガミヒメの話が連想されますね。 日本神話を書いた人は、間違いなくギリシャ神話も知っていたと思います。 さて、アリアドネを置き去りにしたテーセウスは、無事にアテナイに戻ってきました。 しかし、無事に戻って来たときには喜びを表す印として船に白い帆を掲げて帰還すると父王アイゲウスに約束していたことをすっかり忘れて、黒い帆のまま帰還してしまいました。 これを見たアイゲウス王は息子がミノタウロスに殺されたものと勘違いし、絶望のあまり海に身を投げて死んでしまいます。 その身投げした海は、父王の名にちなんでエーゲ海と呼ばれるようになったそうです。 少しこじつけ的に地名の由来が説明されるところも、日本神話とギリシャ神話に共通する特色の一つですね。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.05.02 22:00:09
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