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テーマ:歴史なんでも(780)
カテゴリ:歴史散歩
1986~87年の取材ノートの話をすると長くなるので、再び1975年夏のイギリス語学研修旅行の話に戻りましょう。
私が17歳のときの英国滞在三日目(8月5日)の日記です。 朝食はコーンフレークと卵とジャムとバターをごっそり塗り付けたパンと紅茶。なかなか美味しい。 朝はあっさりとしたものを食べるに限る。 「Coco(犬の名)、お前は行儀が悪い!」――食卓の下で物欲しそうな目を上に向けているその犬に向かって、恐ろしい声が響く。 怒られたCocoは頭が良いからすぐ外に出て行く。 学校の授業は難しい。2割程度しか理解できない。 それに宿題がたくさん出て、遊ぶ暇を与えない。Horrible! 授業は8時半から10時までunderstandingのレッスンで10時10分から10時50分までspeakingのレッスン。 Understandingでは、先生の話す物語の内容について先生が質問をし、それを答えさせ、理解度を確かめるもので、時にはその中に出てくる難しい単語について詳しく説明(易しい単語に言い換えてくれる)したりする。 またspeakingでは、たとえば高級レストランに行ったとき、どのような話し方をすればよいかなど、実用的な会話を取り上げる。 クラスには日本人(ほとんどが社会人か大学生)が8人、スペイン人2人、ルクセンブルクの人が1人(名前はモーリスで、よくバスの中で会うので話をする)、ドイツ人1人、トルコ人が1人。 彼ら外国人はこのクラスのではみんな優等生、日本人はやや劣る。 モーリスは私と同じ17歳。たった3年しか英語を勉強していないのにペラペラ。 ただ時々文法上でミスをする。ボクシング部だとか。 スペイン人のアントニーは毎日車で登下校。やはり英語がペラペラ。 午後はボーンマススクエア付近を散策。 近くにロマンチックな公園があり、足を留める。 宿題のことを思い出して、急いで家に帰る。 以上が三日目の日記です。 この文面から授業にはかなり手こずっていたことがわかります。 大学生ならともかく日本の高校二年生の語彙力ではとてもついて行けませんでした。 当時は悪戦苦闘して何時間もかけていた宿題も今なら5分もかからずにできますが、当時の私にはそのような語学力も素養もありませんでした。 背伸びしすぎて、アップアップのような状態だったと思います。 夏目漱石の気持ちも、これに近かったのかなと想像したりして。 落ちこぼれ学生の私は、翌週から一つ下のクラスにしてもらって息を吹き返しました。 日記を詳しくお伝えするのはここまで。 次からは、駆け足でこの語学研修旅行を振り返って次に進みましょう。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.04.10 16:58:15
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