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テーマ:お勧めの本(7394)
カテゴリ:これぞ名作!
小学生の息子に読む“寝る前のお話”、ここ数日は「長くつ下のピッピ」でした。
言わずと知れたリンドグレーンのロングセラーですけど、2巻「船に乗る」3巻「南の島へ」になると、物語の内容が少し変わっていくのに、最近気づきました。 1巻では「世界一つよい女の子」ピッピの破天荒ぶりを描くエピソードが続く。いじめっ子をやっつけたり、火事から子どもを助けたりもするけど本人は無自覚。「なんておもしろい火事でしょう!」なんて言ったりして。 ピッピは常識破りの破天荒で周囲をびっくりさせ、今までの価値観をひっくり返す“トリックスター”。 2巻になるとちょっと変化が。 ピッピは、弱者を助けるいわゆるヒーロー(女の子だけど)的要素が強くなってくる。乱暴者をこらしめるエピソードが多い。 そのうえ、ピッピ自身子どもでありながら、“子どもの守護神”的ふるまいをする。遠足についてきて皆を楽しませたり、お菓子を買いまくって子どもに配ったり。難破ごっこをした時など、トミーとアンニカにスリルを味わわせながらも、彼らの両親へ「子どもしんだとか ゆくえふめとか おもわないでね。…すぐかえる。ほんとよ。」という手紙を出しておくことを忘れない。 ただの破天荒なお騒がせ者から、守護神的ヒーローへ、進化だ。だからこそピッピが去ろうとしたとき、子どもたちはあんなにも悲しく、トミーはピッピを連れ去る船に憎しみさえいだく。 3巻でもピッピの人助けは続く。 1巻ではイヤがられあきれられた彼女のウソ八百のおしゃべりも、3巻ではラウラおばさんをはげます妙薬となる。南の島へ行ったピッピは、ここでも子どもの守護神ぶりを発揮し、彼女がいるだけで皆は底抜けに楽しく遊ぶし、真珠泥棒をやっつける本物の冒険もできる。 最終章のおとなになりたくないピッピを読むと、ピッピは、子どもの姿をとって子どもたちの中に顕現した、“永遠の子どもの神さま”なんじゃないかな、と思う。 ピッピの本を楽しむとき、大人の読者も子どもになって、彼女をあがめ、いっしょに無邪気な理想郷で永遠に遊び続ける。その遊びと楽しみは、無限! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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