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テーマ:お勧めの本(7394)
カテゴリ:かるいノリで古典を
「第3編」つづき。
デロレインのウィリアムは倒され、彼の持ち帰った魔法書を、クランスタウン卿の小姓の小人が開いてしまいます。本はすぐ閉じますが、開いたページに載っていた姿変えの呪文は小人に読まれてしまいました。 小人は、あるじクランスタウン卿の言いつけ通り、瀕死のウィリアムを城へ運びこみます。姿変えの魔法を使っているので、城の門番たちは何も気づきません。小人はウィリアムを奥方の部屋へ乱暴に放り出すと、引き返しますが、その時、外庭で遊んでいる男の子を見つけます。この子は奥方の幼い息子で、ブランクサム城のあととりです。 悪質ないたずらの好きな小人は、またもや姿変えの呪文を使って自分も少年の姿になり、男の子を城の外へ誘い出します。門番たちの目には、子犬が2匹通っただけと見せかけて、小人はあととり息子をどんどん遠くへ連れていってしまいます。 とうとう二人は森の中の小川にやってきた。 すると流れる水が呪文を破り、 小人は本来の妖精じみた姿をあらわした。 ――サー・ウォルター・スコット「最後の吟遊詩人の歌」第3編より第154~156行(訳はHanna) とたんに小人は逃げ去ってしまい、子供はびっくりして立ちつくしたあと、城へ戻ろうと歩き出して、かえって森の奥へと迷いこみます。 やがて猟犬のほえ声が聞こえ、黒いブラッドハウンドが飛びだしてきて、あととり息子に襲いかかります。彼は棒きれで応戦しますが、そこへ弓を構えた二人の猟師が、犬を追って現れます。その帽子には、イングランドのしるしである聖ジョージの赤十字がついていました。彼らは、国境地帯の森でシカを狩るイングランド人の郷士だったのです。 子供はたちまちつかまってしまいます。 「さあて、聖ジョージさまにかけて」と射手は叫んだ、 「エドワード、俺たちゃいい獲物をつかまえたようだぜ! このぼうずの可愛い顔と、物怖じしない勇気をみりゃ、 高い身分の生まれだってことが分かる」 「そうとも、僕は高い身分の生まれだ。 僕は勇敢なるバックルーの世継ぎだぞ。 お前が僕をはなさないなら、 たっぷり後悔することになるぞ、悪い南方人め! なぜって、ハーデンのウォルターがすごい勢いでやって来るぞ、 それから、難局に役立つデロレインのウィリアムや、 エクスからトウィードにいたる、スコット一族郎党全部が来るぞ。 そして、僕を自由にしないなら、 おまえたちの弓矢なんかにかかわらず、 僕はおまえたちを縛り首にして、鳥の餌にしてやる!」 「高貴なぼっちゃん、ご親切さま、ありがとよ! ・・・ 今のところは俺と一緒にいらっしゃい、 立派なデイカーの殿(イングランドの貴族)にお引き合わせいたしますぜ」 ――サー・ウォルター・スコット「最後の吟遊詩人の歌」第3編より第236~250、258~259行(訳はHanna) こうして、ブランクサム城の奥方の息子は、敵国にとらわれてしまうのでした。 (つづく) うーん、なかなか話が進まない・・・もう十月になってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 2, 2006 10:31:35 PM
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