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HANNAのファンタジー気分

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April 9, 2010
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カテゴリ:Hannaの創作
気合いを入れて翌日更新です;

 双蛇琴 TWIN-SERPENTS-HARP ――剣岩の異端書より 2


 そのうちリアは年を取った。フォーテリザも老いた。そして子どもたちは争いを始めた。

 リア・ガオルスツォンは子どもらの争いをしずめ、天が下を平和に保ち、透かし宮に光を満たし続けるのに力を注いだ。

 彼はいつまでも神々の王として、この世に君臨するつもりであった。


 けれど森の木下闇には陰気な歌を歌う鳥がいて、なおも啼き続けた。

「やつらの滅びは近い、やつらの滅びは近い」
        ふくろう
 鳥の名は、梟と言った。


 やがてリア・ガオルスツォンの家臣である賢者ミリがその声を聞きつけ、王リアに注進して言った。

「光や万星宮の宝石などにお力を無駄使いすることはおやめなされ。

そして謙虚なお心で、外の世のお方がこの世を生みつくられたことを思い出されるように」

 けれどリア・ガオルスツォンは腹を立てて答えた。

「光も星も、われが生み出せしもの、わが力の現れだ。

だいいちこの世に秩序をもたらしたのは誰だと思うのだ。

光と闇、星の輝きは我が思いのまま、流れる水と波打つ水は我が妃の思いのままである。

外の世のことなど知らぬそなたが、なぜわれに意見することができるのだ。

われこそが外の世から来たりし者、この世のつくり手よ」

 そうしてリアは賢者ミリを天上から追放して、冷たい雪の中に閉じこめてしまった。


つづく。





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Last updated  April 9, 2010 10:24:50 PM
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