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HANNAのファンタジー気分

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November 17, 2018
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テーマ:ゴジラ好き(364)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 TVに録画しておいた「シン・ゴジラ」を先週観ました。
 昭和世代なのにそもそもの「ゴジラ」をほとんど知らない私にとっては、初ゴジラ体験でした。

 「震災後」をつよく意識していて、娯楽映画じゃなかったんですね。政府や自衛隊の人模様は、小さい場面のコラージュ、モザイクという感じでしたが、それはそれでリアルで良かったです。
 ただ、シッポが見えたしょっぱなから、私はゴジラの方に肩入れしてしまって、全体に、がんばれゴジラさん! と思いながら観てしまいました。

 だってまず、かっこいいです、ほぼ直立したあのシッポ(第1形態)。水棲恐竜(モササウルスとか)は実はそれほど長い尾のは少ないし、あんなふうに海上に突き上げることもたぶんなさそう。あのシッポの存在感は、生き物としての力強さですね。

 彼は放射能が原因で突然変異的に誕生してしまった、世界に(今のところ)ただ1匹の種。生き物としての本能の赴くままに、海を探索し、東京湾にやってきたに違いない。そして、すごいスピードで進化しますが、その進化の力に突き動かされて、陸に上がったのでしょう。
 太古の我々の祖先の魚が、陸に上がったように。

 で、ホフク前進する第2形態の、初々しい目玉とひたむきな前進に、また感動。障害物(東京の町)をものともせず、ひたすら何かに突き動かされたように進んでいく。生物の進化の姿そのもの、あるいはうがった見方をすれば、あとさき考えずに進歩発展の道をまっしぐらに進んできた人類という種の姿そのもの、原子力技術そのもの、とも言えるかも。

 町を壊され命を奪われていく人間たちからみると、史上最悪の厄災ですが、ゴジラに悪気はないのです。地球を何度も破壊できるほどになってしまった核エネルギー技術そのものに、「悪気」がないように。

 小さな前足を生やしてどっこいしょと立ち上がった第3形態のゴジラは、周りをどんな目で眺めたでしょう。森林を出て2本脚で初めて立ち上がった人類の祖先が周りを見たときと、同じように、驚きと好奇心に満ちて世界を見渡したでしょうか。
 我々だって陸へ上がり2本脚で立ち、大地を踏みにじり焼き払って進化してきたのです。そう思うと、とてもゴジラを憎めません!

 けれどもちろん人間も生存をかけてゴジラと対決せねばならず、そういう意味では両陣営は対等で、「保護」だの「駆除」などと言っている場合ではないのです。
 しかし、ゴジラは1匹しかいません(人類にとっては不幸中の幸い)。なんと孤独なことでしょう。

 攻撃されて、放射能を吐く第4形態のゴジラは、ゴジラらしさを発揮していて、見応え満点でした。おなかが赤く透けて燃えるところは、『ホビット』のスマウグ(竜)が火を吐く場面とそっくり。
 ただ、スマウグが邪悪な心と声の持ち主で、主人公をおどしたり魔法にかけたりするのにくらべ、ゴジラはただ存在するだけです。放射能も、攻撃されると本能的に吐いてしまうみたいですね。やはり、憎めません。

 ファンタジー好きとしては、つい願ってしまうのですが、オームと交感しその暴走を止めたナウシカのように、ゴジラと交感して、なだめるとか海に帰すことのできる手段があったら、いいですのにねえ。
 でも、それに近い「魔法の眠りの呪文」を、日本の主人公たちは、ゴジラにかけることができました。血液凝固剤を飲まされながら、最後の力をふりしぼって立ち上がるゴジラ、ほんとに立派です…やられてしまって可哀想。

 噂によると、シッポにはさらなる進化のしるしがあるそうですね。TV画面では小さくてよく分からなかったけど、ひとりぼっちだったゴジラ、繁殖しようとしていたのですね。子孫を増やす。空をめざす。宇宙にまで行くという予測もあるようです。
 周囲の環境を破壊しつつ、飛行機やロケットを飛ばし宇宙へ進出しようとする人類そのものの姿かもしれません。





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Last updated  November 29, 2018 12:21:13 AM
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