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石川県 旅館 ホテル 心に残る旅の宿

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yosshi1019

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2011.09.25
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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話21 法船寺の猫塚

[法船寺の猫塚]



[参考:金沢の民話と伝説より]
方言、表現など辻褄が合うように編集してあります。


むかしむかし、金沢の法船寺の和尚さんは、この頃仏壇の天井裏にネズミが出るので困っていました。それもかなり大きいようです。お経を唱えるごとに上をドカドカと走り、時々天井板を踏み外していきます。はじめは、こんなでかいネズミはいない、ムジナか何かと思っていましたが、ときどきチューチューと鳴き声がするので、やはりネズミに違いありません。

ある日、近所のじいさんが法船寺へ猫を持ってきてくれました。
「ネズミが出ると聞きましたのでな。こいつの親はネズミをたくさん捕りましたので、こいつもきっと役に立ちますよ。」
「おお、それはうれしい。なんとかせねばいかんと思っていたとこじゃ。」
見ると目がくりくりとして大変可愛い猫です。猫は見知らぬ人になかなか馴れないものですが、和尚さんが抱くと安心したように腕の中で眠ります。和尚さんはいっぺんで気に入ってしまいました。でも、あのでかいネズミを退治するにはまだ体が小さくてかわいそうだなと和尚さんは思いました。そこで玄関先に小さな小屋を作り、大切に育てることにしたのです。

その猫はじつに和尚さんになつきました。和尚さんがおつとめから帰ってくれば、玄関先から走ってきて、お帰りといわんばかりに和尚さんの顔を見上げてにゃあにゃあと鳴くのです。和尚さんが縁側に座って庭をながめていれば、その膝に飛び込んで甘えます。その間も、例のネズミは相変わらず天井裏を走りまわっていました。でも和尚さんはその猫がいとしくて、まだまだ大きくなってから手柄を上げさせてやりたいと我慢していました。

やがて一年半がたち、その猫はかなり立派な体格になってきたので、和尚さんはそろそろいいかなと思い、はしごを持ってきて、天井板を外し、猫を天井裏へ入れようとしました。ところが、猫は激しく鳴き始め、和尚さんの手をつかんで天井裏へ入ろうとしません。和尚さんの目を見つめ悲しそうに鳴くのです。和尚さんは思わず猫を降ろして抱きしめました。
「おおお、すまなかった・・・わしの都合ばかりでお前をこんなに苦しめるとはの。わしはなんと、だいそれた事をしたのじゃ・・・」
和尚さんは涙を流してしまいました。

しかし、あのネズミはそのまま放っておくわけにいきません。次の日、和尚さんは近所の人々にネズミ捕りの依頼をしました。すぐに元気な若者二人がネズミ捕りを持ってきて、
「ご心配いりませんよ。一、二日で静かになります。」
そう言って天井裏へ上がって行きました。ところが、しばらくして「うわあー」と声があり、ガタガタと天井をはいずる音がして、二人がはしごをかけ降りてきたのです。

二人の話では、天井裏をはい進んでいた時、奥の角に何か大きい丸いものが見えるので、ソロリソロリと寄って行ったら、それには毛が生えていた。一体何だろうともう少し寄ってみたら、それはヒクとかすかに動く。その丸いものの下に明らかに2つの目がある。やがてそれはタヌキほどもある、でかいネズミだと気づいて、二人はあわてて逃げ出してきたと言うのです。
「和尚さん、申し訳ありません。私どもでは退治は無理です。」
二人は和尚さんに何度も謝り、帰って行きました。

「タヌキほどもあるとはのう。わしの猫が怖がるのも無理はない。本当に申し訳ないことをしてしまった。さてどうしたらよいものじゃろう。」
その日の夜、和尚さんはそう思いながら眠りに入って行きました。
すると夢のなかに猫が、娘の姿で現れてこう言うのです。
「和尚さま、私を毎日大事に育てていただいて有難うございます。なんとか御恩をお返ししたいと思っているのですが、あのネズミは到底私の手におえないのです。私もつらかったので、あちこち仲間に聞いておりましたら、能登の鹿島に強い仲間がいると聞きました。しばらくおいとまを頂きましたら連れてまいります。どうかそれまでお待ちください。」

次の日、和尚さんが起きて夢を思い出し、猫の小屋まで行くと、あの猫がおりません。あちこち呼んでみましたが、それでも現れません。夢の中で猫が言った言葉を思い出しましたが、夢は夢に過ぎません。もしかしたら、あの恐ろしさで猫がどこかへいって、もう帰ってこないのかと和尚さんは悲しみました。

ところがそれから二週間後のことです。和尚さんがおつとめから帰ってくると、猫が玄関から走ってきてにゃあにゃあと和尚さんをむかえてくれたのです。
「おお、おまえさん帰ってくれたか! よう帰ってくれた。わしはさみしかったぞ。」
和尚さんはうれしくて猫を抱き上げ、しっかり抱きしめていた時、玄関の猫の小屋の横に、もう一匹のでかい猫が、その様子をじっと見つめているのに気づきました。
「ああ、あれがお前の仲間か。あの夢は本当だったのじゃな。だがもういいぞ。わしはネズミ退治よりお前のほうが大事なんじゃ。わしが少し我慢していればいいことじゃ。」

しかし、そう言って猫を腕から下ろした途端、二匹の猫はすぐ仏壇の部屋へ走っていき、天井を見つめてにゃーにゃーと鳴き出したのです。
「お前さんたち、あいつをやっつけてくれると言うのか。無理をせんでもいいのだぞ。」
何度そう言ってなだめても、二匹の猫は鳴き止みません。そこで和尚さんは仕方なく近所の人達数人に助っ人を頼みました。
「よいか、無理だと分かったらすぐ降りてくるのじゃ。」
和尚さんは猫たちに念を押して天井板を一枚はずし、二匹の猫をその中に入れました。

すると一瞬の沈黙のあと、「ふーっ」「ふーっ」「ぎゃおー」、ガラガラ、ドーンと戦いのすさまじい鳴き声と音が聞こえてきました。
「おおお・・・がんばってくれ。」
近所の人たちも、口々に応援します。
「がんばれー。」「やっつけろー。」
しばらくして、とつぜん、はずした天井板から、でかい灰色の動物がドオンと畳の上へ転げ落ちてきました。そいつは人々を見て逃げようとするので、人々は用意していた棒でたたきのめし、とうとうやっつけてしまいました。

人々が喜んでいた時、和尚さんが天井を見上げると、あの猫たちは、はずれた天井板から顔をのぞかせ、ネズミをにらみつけていました。
「お前たち、ようやってくれたな。」
和尚さんはそう声をかけました。ところが猫たちはピクリとも動きません。和尚さんはどうしたのかと思ってはしごを登って行きました。動かないのも当然、猫はすでに息をひきとっていたのです。
「お前たち・・・こんなわしのために命をかけてくれたのか・・・」
和尚さんは泣きながら2匹の猫をしっかり抱きしめました。

その後和尚さんは、2匹の猫の大きい葬式をおこない、お墓を立てて、毎日ねんごろに弔ったそうです。この墓は「義猫塚(ぎびょうづか)」と名付けられ今でも法船寺に残っています。
(文責:津幡町 吉田恵一)

[石川県昔話 目次]

法船寺は金沢市中央通町、犀川河畔で繁華街片町から徒歩圏内です。
[法船寺 本堂]

本堂左へ入ってゆくとお墓がすぐ見つかります。一番手前のお墓です。

[義猫塚(ぎびょうづか)]
お墓の台に、10円玉2個、五円玉1個がお供えされていました。

正面には「無縁法界墓」と書かれています。

右面に、見えにくいのですが「義猫塚」と書かれています。

左面の文字は判読できません。ご住職も分からないそうです。


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Last updated  2015.03.24 20:17:40
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