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カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話 化け物屋敷
[化け物屋敷] [参考:能登の民話伝説より] むかしむかし、七尾に大野と言う俳句を書く人が住んでいました。なかなかいい人物でみんなに好かれていましたが、その人が家を新築してしばらくたった時、隣の傘屋さんがやってきてこう言うのです。 「ちょいとお耳に入れておきたいのですが。昨夜、気味の悪い男が青白い人魂を2つほど引き連れてお屋敷の廊下をうろうろしていましたぞ。おはらいでもなさってはいかがですかな。」 大野は丁寧にお礼を言いましたが、そういったものは信じない方だったのでそのまま放っておきました。 数日後のこと、屋敷の女召使いが土蔵へ行ったさい、 「きゃー」と大声をあげてその場でひっくり返ってしまいました。 その声に驚いて下男がかけつけ、何があったか聞いてみると、人魂が地上30cmあたりをふわふわと飛び、壁をすり抜けて消えていってしまった。そのすぐあと、後ろから顔の青白い男が現れて私をにらんで、あの薪(まき)の中へもぐりこんでいったと言うのです。大野は下男に命じて薪をすべて取り除いてみたが何もみつかりません。 それでそのままにしておいたら、ますます化け物たちが増えてきました。やぶれ提灯が、ちろちろと火をともして家じゅうただようやら、薄気味悪い老婆が仏壇でお経をあげるやら、トイレからごつい手が出て尻をなでるやら、ひるよるかまわず出てくるのです。すぐ近所で話題になり、とうとう「化け物屋敷」と呼ばれるようになってしまいました。やがて奥さんがとてもいられないと言って出てゆくし、召使いも下男も恐ろしがって、しばらくひまを頂きたいと言って来てくれなくなってしまいました。 そうして大野が頭を抱えていたとき、楓居(ふうきょ)という者がちょいとアドバイスが有ると言って訪ねてきました。座敷へ上がってもらうと、化け物どもは珍しいものが来たと思ったのか、座敷へ集まって来ました。天井をやぶれ提灯が飛び回るは、廊下を男がうろつくは、部屋の隅でおばばが手を合わせるは、つるつる頭の坊主が部屋の中を歩きまわるは。 「ははあ、これはお困りでしょうなあ。」 と楓居があきれて言います。 「はい。こいつらのせいで誰も寄り付いてくれません。」 すると楓居はこんなアドバイスをしてくれたのです。 「もともとお化けたちはどこにでもいるものです。これらお化けたちもこの家が気に入って長くから住んでいるのでしょう。普通は何かの物にとり憑いていて人間にはほとんど気づかないものです。しかし、この家は全くの新築、お化けたちは住みにくくて、いたたまれず出てきて騒ぐのだと思います。もう少しお化けたちの親しみのあるもの、古いものを増やした方がいいですよ。」 大野はなるほどと思いました。楓居が帰ったあと、近くの城跡へ行って古びた木や石を集め、古木で花瓶や調度品を飾り、石を古風な感じに庭に敷き詰め、タンスや柱なども塗り変えました。また、ある古い屋敷跡から大きい石を荷車に積んできて庭に置くなど、できる限り古めかしく作り変えました。すると、それから化け物はパッタリ出なくなったそうです。 (文責:津幡町 吉田恵一) [石川県昔話 目次] 七尾市の地図をご紹介します。七尾市は和倉温泉、能登島などが有り、観光地として栄えています。矢印のあとをコピーし、検索窓に貼り付けてそのトップをご覧ください。 (グーグルマップ)→ 石川県七尾市 □□七尾市宿泊施設□□ → [七尾市] [和倉温泉(1) (2) (3)] ☆☆☆ 石川県 旅館 ホテルご紹介☆☆☆ [金沢駅前] [金沢繁華街・中心街・郊外] [河北郡] [七尾市] [鳳珠郡能登町] [能登町 農家民宿] [珠洲市] [輪島市 (1) (2)] [羽咋郡] [羽咋市] [白山市] [小松市] [加賀市] どうぞ きまっし石川→ホームへ戻る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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