トリンプ・インターナショナル・ジャパン - 仕事は「デッドライン」がすべて それを徹底しないと始まらない
トリンプ・インターナショナル・ジャパンで14年間社長を務めた吉越浩一郎氏。「早朝会議」「がんばるタイム」など斬新な仕組みを取り入れ、社員の働き方を見直し、同社で19年連続の増収増益を成し遂げた立役者だ。 そんな吉越氏の仕事のやり方の核となるのが「デッドライン管理」。どんなに大きなプロジェクトでも、細分化してデッドラインを設定する。吉越氏の秘書の机の引き出しには、日付の仕切りがびっしり並ぶ。仕切りの中にはさらに「緊急」「通常業務」など仕事の案件ごとに分けたクリアファイル。メモや資料、メールのプリントアウトを入れる。その中の紙を全部処理できたらその日の仕事は終わり、というわけだ。 吉越氏の徹底的なデッドライン管理に、もう一つツールが加わったのは会社を辞めた直後。「Gmail」を使い始めたことがきっかけだ。「この検索性は絶対紙にはまねできない」。ちょっと思いついたメモや、ドキュメントスキャナーでスキャンした会議資料の紙なども、すべて自分あてにメールをするようになった。メールに情報を付加する「ラベル」を日付にして管理。最近では、資料の書庫として「Google ドキュメント」も使い始めた。予定管理には「Google カレンダー」を利用し、秘書が次々に登録する予定を「iPhone」で閲覧する。 「パソコンは空っぽでいい」という吉越氏は、データをパソコンに保存しない時代が来るという。「その方が利用者の悩みも減るはずですよ」。情報流出の危険性もあるが、「壊れやすいハードディスク、紛失したら大変なパソコン、これらだってリスクは相当あります」。 とはいえ、「パソコンはまだ馬車時代」。ハードの“馬力”を競う時代から、早くソフトやサービスを競う時代になってほしいという。「今はパソコンに対してバカヤローって思うことも多い。でも、やっぱり、ワクワクするんだよね」。 日経パソコン - 2009年5月29日