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カテゴリ:シネマ
映画「YASUKUNI.靖国」を見ました。千葉劇場で10時からと12時15分からとの2回上映中です。近くの皆さんはぜひ見に行ってください。おすすめです。
今回の稲田某の騒動で初めて見に行く気になっただけで、外国人が撮った「靖国」なんてどうせお障り程度かな?と思っていたのですが、どうしてどうして、中味の濃いすごくいいドキュメンタリーでした。内容は、右翼も左翼も、ノンポリも、平和な日本であってほしいと願う人なら、みんなが「こういう映画を撮ってくれてありがとう」と監督に感謝してしまう映画です。 これは皮肉などではなく、カメラの見た目の確かさ、綿密さみたいなものでしょうか。 パンフレットを買って来たのですが、中で佐藤忠男さんは 「これは日本および日本人についてのすぐれたドキュメンタリーである。見始めてすぐ、ヤ、ヤ、これは一知半解の日本理解ではない。よく研究しているな、と私は思わずうなった。」と書いています。 初めは8月15日にあつまる過去の亡霊を背負ったみたいな人々。大東亜戦争賛美のコスプレじいさんたち。初めに明治時代の軍服みたいなのを着た、きれいなじいさまは、おともが一人で、それがアロハ風のシャツなのが笑えます。 いろんな人が来て楽しそうです。今年は国防婦人会の割烹着ともんぺで参加したいです。 と、ふざけると怖い。「小泉参拝支持」と書いた札をもったアメリカ人は、なぜか星条旗を掲げていたために、怒れる群衆から「大東亜戦争を忘れたのか!」「ヤンキーゴーホーム」と袋だたきになりそうになります。多分李監督だと思うのですが、英語ができる人に説明してもらって退散です。 小泉氏のコメントも相当長く映していて、小泉氏も喜びそうです。 右翼らしい言動のみなさんも相当長く映っていて、言いたい事はきちんと言えています。同感する点も多々あります。 こんなに靖国賛美を続けていいのかな~と心配になりましたが、そうでもない。 日本、台湾、朝鮮の遺族たちが、靖国神社へ英霊の名まえの削除を求める場面も、きちんと映しています。とても美人の素梅(Sumei)さんの怒りを込めた神社への訴えには涙が出ました。 生きている時も死んでからさえも日本に囚われている台湾人の苦しみ。 彼女たちのデモ行進の「コール」が悲しみいっぱいでした。 また、石原慎太郎を迎えての追悼集会の折り、その決議「英霊をなんとかの会、日本会議、ほか、主催」を稲田某みたいな女が(憲法、教育を変えて行くとか)読んだあと、全員の合唱「海行かば、水浸くかばね~」(すごい意味の歌ですね)の時に、一人の若者が乱入したんですが、取り押さえられて、うしろに引きずり出されたあと、群衆に「中国人は帰れ」「中国へ帰れ」と袋だたきにされそうになります。 青年は顔が血だらけ、おまわりさんはかばおうとするのですが、その群衆の中に青いTシャツ(多分)の一人のオヤジがいて、まあ~私が怖いおか~さんになって口撃をかけたら、一言も返せないような気の小さそうなおやじが、200回くらい「中国へ帰れ」「中国へ帰れ」「中国へ帰れ」、、と怒鳴り続けるのですよ。 見ていて恥ずかしくていたたまれない思いでした。こうなってしまうんですね。人間って。 それで、ネタバレになるのですが、救急車が来た時に誰か(おまわりさん?)が「中国人?」って聞いたんですね。そうしたらその若者は「違います。日本人です」と言ったんですよ。 良かった~とほっとしました。日本人の若者だっているじゃん!!いい子が! 「顔から血がでてるじゃないか」救急車に乗せようとする警官に対して、彼は急に思いのたけを言い始めました。 「戦争で殺された人と比べれば、僕の、ぼくの顔の怪我なんかたいしたことじゃない。僕は救急車には乗らない!侵略戦争反対!」 とまあ、大騒ぎの8月15日でした。ところで、この映画の主役とも言うべき、刀匠の刈谷直治さん、とてもいいお顔の方で、自分の仕事と、中国人の李監督の思いを知った上で、辛抱強く対応していました。 刀匠としていい刀を作りたい、しかしそれは多くの人の命を奪うもの。しかも、兵士を鼓舞するために実際以上に宣伝に利用されていた、、、。 最後に、袴姿の90歳の刈谷さんが、監督のために詩吟を。徳川光圀の漢詩「日本刀を詠ずです。最後は 「策無きにあらず 容易に汚すなかれ日本刀」 というのです。 平日の昼間でしたが、お客さんの入りは85%くらいでした。地方の映画館でも上映すればお客さん入りますよ!多分。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.06.18 15:53:48
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