くれーじーくえいる　ぶろぐ

　さて、昨日からいよいよ仮面ライダー電王の劇場版第３作にして（多分）最終作となる『さらば仮面ライダー電王　ファイナル・カウントダウン』が劇場公開開始となりました。春の『電王＆キバ』は喜んで見に行った管理人ですが、今回の『さらば電王』はどうしようかなぁ・・・

【第35話　　ニューアレンジ・飛翔のバラ】

　とある山奥の洞窟で先代の"クイーン"こと真夜と対面した深央。深央は"クイーン"を辞めたいと彼女に訴えるが、真夜は"クイーン"の力が貴女を選んだのだから無理だと素っ気ない。真夜は深央が人間の男に恋していると見抜き、自分もその選択をして罰として"クイーン"の力を奪われたと語る。真夜はそのことを後悔してはいないが辛いものだと言い、深央にその覚悟があるのかと問う・・・

『カフェ・マル・ダムール』では嶋が右腕を負傷した名護に代わって健吾にイクサを託すことを決定する。反対する名護だったが、イクサを手にしてますます増長する健吾に殴り倒されて足蹴にされてしまう。
　嶋はその後バーで再び神田博士と会い、改めてファンガイアの利用を止めるよう促すが、神田は耳を貸さない。神田はファンガイアを利用して最高の力を手に入れ、この世界のあり方をもうちょっとマシなものに変えると豪語するが・・・
　一方、太牙に接触した"ビショップ"は、太牙が神田博士の研究をファンガイアにとっても有用になると考えていることに懸念を示し、太牙が以前戦ったホースフライファンガイアが神田博士と関係があることを告げる。

　渡は紅邸の工房で"ブラッディ・ローズ"の修復に取り組み、ようやく完成させる。だが、試しに弾いてみた渡はその音色に何かが足りないと気付いて思い悩む・・・

　22年前。音也は相変わらず真夜と共にバイオリン作りに没頭していた。バイオリンはいよいよ完成に近付き、二人は手を取り合って魂を込めるかの如く作業を進めていくが、その様子を端から見守ることしかできないゆりは居たたまれなくなって紅邸を飛び出してしまう。そんな彼女の前に次狼が現れ、事情を知って紅邸を訪れる。真夜が去るのと入れ替わりに紅邸に現れた次狼は、死人のように酷くやつれた音也の表情を見て、彼がファンガイアに魅入られていると察する。ゆりを案ずる次狼に対し、音也はあくまでバイオリン作りに真夜の存在が必要だと言い、今の俺はゆりには理解できない場所にいると言い切って取り合わない・・・
　変わって現在。"ブラッディ・ローズ"の修復に何かが足りないと悩む渡。そこへ突然ガルル彫像態が飛来し、次狼の姿となって渡の前に現れる。次狼は自らを渡の父・音也の古い友人と名乗り、バイオリンの修復に足りないものが何なのかを告げる。それは音也がバイオリンに込めたという"祈り"・・・
　一方22年前。ようやく完成し調弦も完了したバイオリンだったが、真夜は一番大事なものがまだ込められていないと音也に言う。それは"祈り"・・・
　再び現在。次狼に言われた父の"祈り"とは何なのか、『カフェ・マル・ダムール』で一人考える渡。そこへ太牙が訪ねてきて、深央へのプレゼントをネックレスとピアスのどれがいいかアドバイスを求めてきた。渡はどっちも似合うと思うけどと言うが・・・

　神田博士は相変わらず楓に他のファンガイアの能力を移植する実験を続けていた。だが、多くのファンガイアの能力を取り込んで不気味な表情となった楓は実験装置の拘束を払い除け、狂笑を浮かべながら神田に襲いかかろうとする。神田は逆らう彼女を処分しようと自爆装置のスイッチを押すが、強大なパワーを得た楓ことホースフライファンガイアはその爆発すらはね除けてしまい、自分が力を得るために神田を利用していたと言い放って神田のライフエナジーを奪ってしまう。
　深央にプレゼントを渡すべく渡を伴って公園で待つ太牙。一方、深央は今度こそ太牙に自分の正直な気持ちを打ち明けようと決意して待ち合わせ場所に向かっていたが、そこへ新たな力を求めて現れたホースフライファンガイアに連れ去られてしまう。駆け付けた太牙は行き先が神田博士の研究所だと察して後を追おうとするが、渡はここに至って自分も深央が好きだと告白し、自分も一緒に行くと訴える。太牙は無言で微笑むと渡の腕を取って握手し、揃ってバイクで研究所へと向かう。
　二手に分かれて深央を探す渡と太牙。渡は研究室で実験装置に拘束された深央を発見し、生身でホースフライファンガイアに立ち向かいながら深央を逃がす。渡はキバに変身して逃げるホースフライファンガイアを追うが、その姿を見つけた太牙はキバの力を試そうと自らの召喚モンスターであるククルカンを呼んでキバに向かわせる。ホースフライファンガイアはキバがククルカンに襲われている間に逃げようとするが、その前に太牙が立ち塞がり、サガに変身してファンガイアに死を言い渡す！
　一方、キバは巨大なククルカンに手も足も出ず、ついに変身解除して気を失ってしまう。その時、紅邸では突然"ブラッディ・ローズ"が共鳴を始め、驚いたタツロットは慌てて"ブラッディ・ローズ"を咥えて渡の元に飛んでいく。意識を取り戻した渡はタツロットから"ブラッディ・ローズ"を受け取ると、父が込めた"祈り"が何であるかを探るかのように奏で始める――――――

　22年前。真夜から最後にバイオリンに込めるのは"祈り"だと言われた音也は、彼女が見守る中バイオリンを奏でていく。「人間は皆、心に音楽を奏でている・・・俺はその音楽を守りたい」音也の祈りによって光り輝くバイオリンを見て、真夜は今度こそ完成を確信する。そして、演奏を終えた音也は完成したバイオリンを"ブラッディ・ローズ"と名付けたのだった・・・

　――――――現在。父・音也の"祈り"を理解した渡は、今度は自らの祈りを込めて"ブラッディ・ローズ"を奏でていく。「僕は僕の音楽を見つけたい。そうすればもっと強くなれると思うから・・・そして、僕の音楽でみんなを幸せにしたい」そしてバイオリンと共に輝き始めた渡はキバ・エンペラーフォームに変身、さらにその姿がマントに包まれて変容し、コウモリを思わせる飛翔態へと変貌した！
　キバ飛翔態の覚醒を、山奥の洞窟で察知する真夜。一方、キャッスルドランもそれに呼応するかのように突如激しく鳴動する。城内で驚くラモン＝バッシャーや力＝ドッガに対し、次狼＝ガルルは新たなキバの覚醒を悟る。そして、廊下を歩いていた力の目前で廊下の壁の一部が崩れ、謎めいた剣の柄が姿を現す・・・

　サガは圧倒的な力でホースフライファンガイアを追い詰め、最後はスネーキングデスブレイクで葬り去る。一方、キバ飛翔態は空中でククルカンと激闘を繰り広げ、一度は絡み付かれるも逆にバラバラに切り裂いて逃れ、最後は口からの火炎放射でククルカンを粉砕したのだった。

　その頃、キバ飛翔態の覚醒を悟った真夜は空を見上げて哀しげに呟く・・・「会いたい・・・渡・・・」

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　過去編で音也と真夜の手によって完成に近付き、一方現在編では渡の努力によって修復されていく"ブラッディ・ローズ"。その完成のキーワードは"祈り"。「人々が心に奏でる音楽を守りたい」という音也の祈りと、「自らの音楽を見つけ、自らの音楽で皆を幸せにしたい」という渡の祈りが過去と未来それぞれの"ブラッディ・ローズ"を輝かせたとき、現在編のキバは新たな力・飛翔態（別名エンペラーバット）を手にしたのでした。劇場版で一足先に登場しているキバ飛翔態ですが、歴代仮面ライダーシリーズの中でも完全に非人間型の形態に変化する仮面ライダーはこれが最初ではないでしょうか。設定によれば、キバ飛翔態はファンガイアと他種族のハーフだけが発現できる可能性を持つファンガイアにとってはイレギュラー的な存在のようで、純粋種ではなくハーフの方が高い適性を示すという辺りは『ドラゴンボール』のスーパーサイヤ人的でもありますね。しかし、せっかくど派手に登場したんだから１回こっきりの出番で終わらないでほしいなぁ（苦笑）
　そして、キバ飛翔態の覚醒と時を同じくしてキャッスルドランの城内に突如姿を現した謎の剣の柄。その正体は果たして・・・？
　ちなみに、太牙がキバの力を試すべくけしかけたのは、キバのアームズモンスター等に相当するサガの召喚モンスターである"ククルカン"。以前の記事でも書いた通り、ククルカンは"羽根持つ蛇"の意を持つ南米マヤ文明の創造神の名前で、本作でも"羽根持つ蛇"をイメージしたデザインとなっていますが、何だかコブラにアノマロカリスを合わせたように見えなくもない（笑）最後はキバ飛翔態に破壊されてしまいましたが、あれ自体はサガが健在な限り何度でも繰り出せる分身のようなものだろうと推測します。

　ついに太牙に深央が好きだと言ってしまった渡。一見平然としていた太牙ですが、次回はついに深央に他に好きな人がいると聞かされて渡を巻き込みつつその相手を探そうとするんだとか。渡が深央を好きだと言ってるのと深央に好きな人がいるというのが一致しないなんて何という渡並みの鈍感大魔王だ太牙君（苦笑）
　そして次回はついにキバとサガが激突!?　深央を巡る恋の争いの前に、渡と太牙の友情も最早これまでか・・・？

　前回腕を負傷したためにイクサを取り上げられてしまい、増長する健吾に足蹴にされてまったくいいところのなかった今回の名護さん。健吾が「俺の弟子にしてやろうか!?」と名護を踏み付ける辺り、かつては師匠と仰いだ名護に裏切られた事（これは渡と違って実際そうだからなぁ・苦笑）への恨み辛みが籠もっているような・・・（汗）
　かくて、名護に代わってイクサを手にした健吾ですが、むやみやたらに増長して力を振り回す奴にはロクな結末が待っていないのが平成ライダーシリーズのお約束だけに、イクサが過ぎた力となって自滅してしまわないことを祈るばかりです。

　一方、現在まで生きていた先代の"クイーン"こと真夜は、人間を愛した罰によって"クイーン"の力を剥奪されて落ちぶれたようです。人間を愛したが故に今の境遇となったことを結構辛いと言いつつも後悔はしていないという真夜ですが、ラストでキバ飛翔態の覚醒を察した彼女は思わず「渡に会いたい」と願う・・・その顛末はいずれ過去編で語られるのか？