カテゴリ:金融資産運用
独学 3級FP技能士 試験 解説 中野克彦 なかじまともみ 福島由恵
(45) 期間1年、年利0.1%の米ドル建て外貨定期預金に、預入時のTTSレ ートが1米ドル=100円のときに10,000米ドル分を預け入れた。1年後 に、TTBレートが1米ドル=110円であった場合、円ベースでの年利 回りは( ) である。 (注)なお、利回りに端数が生じる場合には、表示単位(%)の小数 点以下第3位を四捨五入することとし、税金は考慮しないこと とする。 1) -10.11% 2) 9.18% 3) 10.11% 解説者:福島 由恵 (ライター/イラストレーター、CFP(R)、1級FP技能士) (45) 正解:3) 【外貨投資】 外貨預金は、 1.利息収入(現時点では、日本円で預金するよりも外貨預金の金利のほうが高い) 2.為替差益 の2つの収入が期待できます。この2つの収益を加味して下記の要領で計算する と、円ベースでの利回りは10.11%となり、正解は3)です。 【過去の出題】 2010年1 月3級学科試験 (42) 金融「外貨投資」 2009年1 月3級学科試験 (44) 金融「為替相場」 2009年1 月3級学科試験 (12) 金融「外貨建て債券」 2008年5 月3級実技試験 【第2問】 (6) 外貨建商品 2007年9 月3級学科試験 (15) 金融「為替変動のしくみ」 2006年9 月3級学科試験 (11) 金融「為替変動のしくみ」 為替の計算は必ず過去問の解説を見て、手順を理解しておきましょう。 試験は3択なのである程度の予想はつきますが、厳密に計算する場合は次の手順 で行います。 1.まず、問題文をよく読んで計算のポイントをおさえる ポイント1:外貨預金の利益は利息と為替差益の2つある ポイント2:年利回りは「円ベース」で聞いている 2.利息がついたあとのドルベースの金額を出す 年利0.1%なので、1年後は 10,000×1.001=10,010米ドルになる 3.利回りは円ベースで答えるので、10,010米ドルを円に直す 1年後のTTBは110円なので 10,010×110=1,101,100円 4.はじめに投資した金額は? 1ドル100円の時に10,000米ドル買ったのたから、1,000,000円 5.もうかった金額をはじめに投資した金額で割って利回りを算出 1,000,000円を使って投資して1,101,100円になったのだから もうけは101,100円。 利回りは101,100÷1,000,000は0.1011 これを%に直すと10.11 と答えが出せます。 ~大事なおまけ~ 計算上では上記の方法になりますが、試験では時間は命! こんなに面倒な計算をしなくても、もっとさくっと解くことができます。 <考えるプロセス> 1.「年利1%の利息がついている」 そして、 「1米ドル=100円で購入したけれど、売却時に1米ドル=110円になった」 → つまり「円安」になった → 「円安」になったということは円換算した時にもうかったハズ! 利息をもらった上に、円安になったのだから、この人は間違いなくもうか ったハズ。 したがって、利回りがマイナスになっている1)は×ですね。 2.じゃあ、次は 2)の9.18 か 3)の10.11 のどちらかで迷う。 ここで本当に時間がなかったら1)の-10.11のひっかけが作ってあるのを考 えると、3)の10.11が正解っぽい気がしますよね! でも心配なら、 為替差益の計算だけしてみましょう。 1米ドル=100円で購入したけれど、売却時に1米ドル=110円になった → つまり、10%は為替差益でもうかった だから、2)の9.18も×ですよね。 こうして答えは3)の10.11 とわかります!!! ────── COPYRIGHT (C) 2010 Yoshie Fukushima All Rights Reserved. ────── お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2010.08.02 13:01:43
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