カテゴリ:うまいっ!タイの飲み処・食べ処
「おいしくてそこそこおしゃれなのに、いつ行っても人が居なくて心配なんだよね」と食い物番長がおいしくておすすめというタイ料理屋に連れて行ってくれることになった。
場所はスクムビットのナナ駅。アラブ人、おねーちゃん目当ての欧米人、にほん人おやじがふらふらしているパクソイ(ソイの入り口)を入り、ひたすら一直線に進んでいく。
怪しいプールバーやらバービアが姿を消し、なんだか巨大で素敵なコンドミニアムを左に見て、右。
白くてかわいい、一軒屋レストランで、日本だったら青山あたりにたたずんでいそうな素敵な雰囲気。メニューも外国人用に英語で書かれているし、本当にそんなに人がいない店とは思えない。
ねーっ。いい感じでしょ?
ん?まさか死ぬほどまずいのか?
「なにいってるんっすか(怒)?まずい店なんかつれてくるわけないでしょー!」
・・・はいはい、はいはい、はーい。そうでした。わかりました。
「バーンヤー」とはおばあちゃんの家、という意味だと思う。 ひまそーにパソコン見てたり、テレビ見ていたり、おしゃべりに盛り上がっていた店員がどんよりとした目でこちらを見る。
「客だ!」
あわててまくった店員に案内されてこれまたびっくり。しーん・・・ほんっとに人っ子ひとりいない。
あのう、余計なお世話ですがお店を開けていると逆に赤字なんじゃないか?
「どこにでもお好きなところにお座りください」って。ああ、そうだろうーよ。好きな場所に座らせてもらうよ、と、ゆったり寛げる奥の席に陣取る。
笑いがこみ上げるほどの静けさと、貸切にしていないのに貸切になってしまった微妙な空気。
「いつ来ても誰もいないんだよね。一組いた日もあったかな?」と番長。うーん、それはいないも同然かもしれんですな。 とびぬけて最先端のクールな店ではなく、なんというか・・・昔からあるふうの、かわいい路線で女の子にもうけそう。
「しかも有名な料理研究家のお店なんですけどね。なんで流行ってないんだか」
目の前のコンドミニアムの住民がせめてランチにでも使ってくれていればいいのだけど。
で、番長はいつもほとんど自分の好みのものを大量に頼んでしまうので、食べたいなあ、と思うものは1品くらいしかねじ込めないが(笑)、大抵、番長に任せたほうがおすすめかつ食べたことがないものを食べられて面白いと言うもの。
ここの店には番長的に美味しいと思う王道のメニューがあるらしいので、とりあえずそれをいただいてみる。
いちばんびっくりしたのはこれ。鶏肉のカシューナッツ炒め。宝石箱を思わせるカラフルなそれは、よくある鶏肉のカシューナッツ炒めとは全く違う。
実はよっしー、苦手な料理だ。よく「どうでもいいものが嫌いだよね」と言われるけど、カシューナッツが苦手なの。
でもこれは、カシューナッツだけではなく、ギンナン、クワイ、他色とりどりの木の実類をほどよくブレンド。かわいらしいタロイモのバケットに入れられた、カラフルかつおしゃれな一品。
味も非常に上品で、カシューナッツだけの食感ではなく、様々な木の実の味のしゃりしゃり感、ほくほく感、こりこり感が口の中で混ざり合ってとっても楽しい。
うん、こりゃ斬新で新しい味。おいしいー。
で、「トートマンプラー」が食べたかった番長、「トートマンムーがあるよ!」とメニューから発見したものに目を丸くしている。じゃ、それ食べますか。
一口食べて、おお、と思う。なぜって、ほとんどトートマンプラーと味が変らない。元々魚のすり身を臭みなく食べれる一品の豚バージョンだから・・・もし黙って「トートマンプラー」と言われたら、そんなに気がつく人はいないのかもしれない。後味が魚のそれか、肉のそれかっていう違いだけ。歯ざわりも味わいもほぼ同じだ。
さらに番長はこのゲーンマッサマンもお気に入りだそう。
うん!これは、まさに「ゲーンマッサマン」の味に期待する王道な「がつん」系の美味しいさ。ゲーンマッサマンはこってりしてなきゃね。ジャガイモもほくほくだし、いい感じ。
ちなみにあたしはミントが効いた辛さよりすっきり感がきわだつナムトクムーも気に入ったぜよ。
ひと手間変化球を加えた上品な料理が食べられて、そこそこお洒落、そしてとっても静かな一軒家レストラン。
潰れないように、是非皆さんも足を運んでみてね。
値段は安くもないけど高くもない。でもお洒落系一軒家レストランの中では良心的な値段ですー。
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