悪行の仲間
年は二つ上の先輩だった。 同じ会社で課は違ったのだが、当時は事業部の仲間同士、夫婦、恋人共々テニスを盛んにしていたのである。大阪駅の裏のビルの屋上や江坂(品評会場の近く)で楽しんだものだ。 30年程前の話である。 本質的に下系が好きな似た者同士で、ある時当方が夜9時ごろ仕事から会社に戻ると、その先輩が1人で仕事をしていたのだ。 当方が前日テレビを見ていると、番組で夫婦喧嘩をして、旦那がテレフォンクラブに行ったのである。すると嫁も喧嘩した腹いせに家を出て公衆電話から電話すると、旦那とは知らず会話を楽しみ、会う約束をとり、会ってびっくりというというストーリーである。 当方は当時は、テレクラがそういうものとはを知らず、ピンサロ的要素で、ガラス越しにプロの女性と会話をするイメージを持っていたので興味なかったのである。 で、先輩に「テレクラって知ってます?」と聞くと「はぁっ、お前遅いな、時期はずれやでぇー」と言うのである。当方が「行ったことありますか?」と聞くと、「なんぼでも行ったわ、みんな行ってんでぇー」ときたもんだ。 これはみんなに遅れをとり馬鹿にされると思いきや、先輩に「是非、今度連れて行ってください」と頼んだのだ。 すると先輩は「じゃー今から行こうや」というのである。当方は「えっ、今からですか、もう遅いですよ」と答えると「アホか、今からが本番なんや、こんな時間がええんや」とマジ顔で言うので、各々の車で行ったのである。 ミナミの繁華街と思うが、店に入ると会員証が必要で当方は持っていなかったので作ってもらい、店員に個室へ案内されたのだ。 一通り説明が終わると、店員も部屋から出て行き、さあ、いよいよスタートである。 よく電話がかかってきているのだが、当方には全然とれないではないか、電話器がおかしいと思い、店員に「この電話故障してますよ、ちょっと見てください」と部屋に呼んだのである。 店員は「どういうスタイルで待ってますか?」、「えっ、スタイルがあんの?」(持つ姿)「お客さん、それじゃー取れませんよ、受話器は耳にあてたまま、もう一方の手の指先だけで電話を切るポッチを押さえて、鳴ったら指先を離す、みなさんこんなふうにしてますよ」・・、なるほど。一回一回鳴ってから受話器をとっていたら遅いのである。 つながらないはずである。 当方には一向に取れず、先輩の様子を見に部屋をたずねると、なんと会話してるではないか、「25歳で、郷ひろみ風、干支はえーっと」、干支の部分で悩んでいるではないか、恐らく自分のことを若く誤魔化しているに違いないのである。 なるほどと思い、負け時と当方も、押したり離したり、押したり離したりして、やっとの思いでつながったのだ。 当時は純情で嘘がつけず、「今日初めてで、先輩と一緒で・・・」と会話をすると、何と会う約束がとれたのである。 先輩の部屋へ行き、「アポが取れたので行ってきまーす」と言い、会話をしている先輩を残して先に店を出たのである。 地図は仕事上いつも車に入れているので、地図を見ながら1時間半くらいかかる泉南の方だったと思うのだが、急いで向かったのである。 結局、場所がわからず1時間ぐらい迷いに迷い、行ったり来たりして遅れて行ったので、会えないと諦めていたのだが、待っていたのである。間違いなく女性である。 このきっかけが最初の先輩との交流で、序章の始まりで今後いろんな悪行が続くのである。 それからは、よく月末の仕事締めが終わり、みんなで連らなって行って結果報告しあったものだ。 今日はきっかけ話で終わりとする。 ところでさっきの結果だが、リー、即、つもで、泊ったのだ。 余りにもうまくいったので、怖くなって嘘の電話番号を教えたのだ。 後日先輩に報告すると、先輩は「お前アホちゃうか、よーそんなとこまで行ったな、嘘が多いんやでぇ」だと。・・・ 「じゃー先にそれを言ってくれよ」と言い返したかったのだ。↓宜しく、お願いします。