Over the MAX COFFE(仮)8話
「そっか。それなら、この授業がんばろうね。私も、何かしらできることがあったら協力するよ」なんだろう、シリアスな話をしていたのに、私は不思議と嬉しかった。目標が見つかったからだろうか。それとも、何かに直向に頑張る人を目の当たりにして、元気をもらったのだろうか。いずれにせよ、どこかポジティブな気持ちだった。「ありがとう」彼はニッコリと微笑んだ。「ねぇ、第二ボタンを渡した男の人は故郷に帰って、恋人を幸せになったのなかな」彼も、ちょっと楽しそうにして尋ねてきた。「うーん、帰ってきたと思うよ。うん、帰ってきたさ」私は、根拠がないのにもかかわらず、自信ありげに答えた。「そうだよね。帰ってきたよね」彼にとっても、期待通りの答えが帰ってきたようだ。「寒いね、そろそろ帰ろうか。」と私が切り出した。すると、「一緒に帰ろうか、まだまだ、話し足りないし。あとさ、もうすぐクリスマスじゃん。二十歳にもなったし、そろそろ、一緒に過ごす人がいたらな~なんて」と、羽鳥くんが誘ってきた。「そうだね~その前に授業の発表でしょ」あいまいな返事だな、自分でも恥ずかしい返事だった。第二ボタンを最初に渡した男の人は、恋人と幸せになっただろう。そうでなかったら、現代まで言い伝えられないはずだ。なぜ、現代まで伝わったのだろう。それはきっと世界が平和になるために大切なものがあるからなんだと思う。おわり