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○ 映画(活動写真)「伊豆の踊子」
(昭和8年・1933、初映画化) 全篇 五所平之助監督 田中絹代主演 川端康成原作 インターネットで、初めて見た。 この動画、著作権は大丈夫なのだろうか?・・・いや、厳密にいえばやっぱり著作権法第51条(著作権者の死後50年間の無断引用の禁止)に触れている疑いがあると思うが、戦前の作品でもあり、まあ事実上大丈夫だろうと思う。 「伊豆の踊子」の映画化は、リアルタイムには山口百恵ヴァージョンで初めて見た世代だが、「歴代踊子」の伝説は十分に耳にしてきた。 とりわけ、この第一作は、日本映画史(日本近代文化史)に燦然と輝く傑作であると、信頼しうる年輩者・物故者の誰もがそういっている(いた)。 いま全篇を見てみて、感涙に咽(むせ)びつつ、その通り、間違いないと確認した。 吉永小百合版や内藤洋子版も見たが、やはりこの第一作は味わい一入(ひとしお)である。 引き立て役の芸者の飯田蝶子も、若くて達者だなあ。 伊豆・下田港のラストシーンなど、もうほとんど神々しい。ここには巷間いわれる「淡い純愛物語」ではすまされない、人生の機微が表現されている。 これが本物の「伊豆の踊子」だ。 ラストで、田中絹代が全力疾走して転ぶのは、演出ではなくリアルNGショットをそのまま生かしたもので、あざだらけの熱演だったと伝えられている。 当時、田中絹代はすでに人気絶頂の「スタア」、五所監督も巨匠だったが、のちに近代日本文学の最高傑作「雪国」をものするノーベル文学賞作家の原作者・川端康成は、この時は無名の新人で、この映画化で初めて名前を知られたといわれる。 ・・・いい女の第一人称代名詞は「あたし」に限る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.02.27 09:55:04
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