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カテゴリ:絵日記三昧
イスラム教のインドネシアの中、独自のヒンズー教文化が栄えたゆえか、 180年のオランダ支配によってヨーロッパ文化が混淆したゆえか、 バリ王国文化とヨーロッパ文化がヘレニズムのように油絵に開花。 ウブド村周辺には、多くの油絵の画廊が並んでいた。 絵画技術的には稚拙で素朴なものが多かったが、 これほど絵画好きな民族は東南アジアでは珍しい。 宗教的戒律は厳しく、葬式の日にはウブドの芸術村には入れなかった。 私には、油絵より、街中にあふれるヒンズーの神々の石像や、 バリダンスに活躍するさまざまな仮面に魅力を感じた。 ヨーロッパ中世のキリスト像などよりはるかに、 個性的で多彩で豊かな創造性を感じた。 ![]() 日本も3年間占領、ひどいことをしたようだけど、 優しいバリ人は「昔のこと」と多くを語らない。 一方でオランダからの独立のために戦ってと懇願されて、 現地に残った信頼された日本人もいたよう。 更紗のろうけつ染め、銀細工の宝石店と、豊かな人々も多く、 ウブドには日本より美しい煉瓦造りの民家の家並みがあった。 絶壁の寺院では、夕暮れから「ケチャ」という踊りが 大勢の男たちの異様な身振りと囃子声によって始まる。 ![]() 魔王に誘拐された王妃、それを取り戻すラーマーヤナの物語 それが美しい原色の衣装で踊られる。 踊りを囲む大勢の男たちがに左右に身をゆすりながら、 「ケチャ、ケチャ」と言う囃子言葉のリズムに、 観客は不思議なトランス状態になっていく。 ![]() やがてとっぷりと日は暮れる。 炎の輪の中から出ないようにと言ういいつけを破った王女。 その頃は、すでに寺院は真っ暗な闇の中。 仮面をかぶった戦士が炎を蹴散らし、火の粉が闇に舞う。 輪になった炎の中で、ヒンズーの物語は最高潮に達した。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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