Molecules
Molecules - 祝・論文投稿 -MDPI社はスイスが本拠の科学雑誌出版社http://www.mdpi.com/Molecules, Entropy, International J of Mol Sciなどの雑誌を出していた出版社であるが、数年前から電子ジャーナル・オープンアクセスジャーナル(OAJ)誌としてやっていくようにしたようである。2012年には19誌、2013年には30余誌のOAJを創刊して、今後、混沌とするOAJ業界に殴り込みをかけるような感じである。さて、このMolecules誌から、"Special Issue invitation"というのをメールでもらった(重要な宣伝活動だ)。(別にPiyotaの研究が世界的に格別注目されているというわけでは、残念ながらなさそうで、ただ半自動的にどこかの学会関係の名簿から、メールが流れてきたと思われる)。反乱するOAJからのeditorのお誘いや投稿のお誘いが週に何通も来る昨今だが、今回は、まずspecial issueの特集の組み方が気に入ったのと、そのguest editorが元ETHのW研出身者で、名前をそれなりによく見る先生だったのと、で、「もし間に合ったら投稿したいよ」と返信した。Molecules誌はMDPI社最古の雑誌Molecules:Impact Factor: 2.428 (2012); 5-Year Impact Factor: 2.679 (2012) 昨今インパクト係数(IF)重視の論文評価・機関や業績の評価に関しては、科学の方向性をゆがめたり研究者が捏造を行うという不正行為に拍車をかける理由の一つとして、批判が強まっている。しかし、それでも、PIは論文を投稿するときに、その雑誌のIFを気にしてしまう。気にするのをやめられないのである。今回投稿しようと思っているネタは、それなりに時間と手間をかけた、愛着のある内容なので、このIFはやや低いかな、とも思った。しかし、今回の論文は、実はPiyota研から出ることになる初めての「インシリコ創薬」の論文である。これまでの、構造決定の論文や、未知タンパク質の機能・機構解明の論文、ベクター構築法の論文とは、また異なった方向性、アウェイの戦いである。そんなこともあって、これからケミカルバイオロジーやインシリコ創薬の分野へ進出していき、そこで論文を通すためのノウハウを学んだりするための入口として、この"special issue"というのはよい契機になると考えた。もう一つ、この"special issue"に投稿するという決断のよかったことは、「締切の設定」である。論文執筆をやったことのある人ならば誰しも経験があると思う。締切があったとしても、多くの人は必ずその締め切りを延ばしてしまう。締切がない論文の場合、脱稿日はずるずるずるずるあと伸ばしになる。それが真理だ、人の性なのだ。で、今回、6/30がデッドラインで、それを意識しながら、6月初めから書き始めて、2週間と少しで一気に書き上げた。もちろん、もとのストーリーやデータは、T先生が鳥取の蛋白質科学会で発表した内容でもあるので、議論は十分に済んでいるのではあるが。6月は相変わらず講義や会合がそこそこ多い中での短期集中執筆なので、それなりに自分自身に対しても勉強になった。で、いつもお世話になっているエナゴ様に今回もお世話になり、校正ファイルを受け取ったのが24日。共著者の確認を経て、27日投稿。やれやれ。すっきり論文が通るといいな!今回の論文投稿のお守りは、八事山興正寺のもの。ここは、高野山真言宗別格本山なので、電子投稿するときに、いつもの「神社系」御守りのときのように二礼二拍手一拝、というわけにはいかない。真言宗の流儀に従うべきではないかと、考えた。で、ネットで調べているうちに、いろいろ、高野山のページから、真言宗のこととか分裂と統合の歴史とかを知るのだが、まあそれはおいておいて。何か真言を唱えるべきなのかどうなのかと思って、結局、九字を切ることにした(意味があるのかどうかはなはだ不明・・・まあいいや)。あっ、しまった。明日の出張のための打ち合わせ準備、なにもできていないや!しかも、明後日の若手NMR研究会のセミナー資料も、なにもできていないや!ひ~~。ブログ村でインシリコ創薬関連のブログを探してみる