外頸骨
10~15%の人に発生する外頸骨という骨がある。10歳ぐらいのスポーツ少年に発見されることが多い。過回内などの影響で、もともと持っていた舟状骨の一部の小さな骨が飛び出してくる。くるぶしの前下辺りに出る。ひどいときには、有痛性外頸骨となり、痛みをともなう。ほとんどの場合は、出っ張った骨が、靴に擦れて痛いものとのこと。「おとーさん、ココに骨が出てきた。」「え。見せてみな。左だけだな。おー、ポッコリ出てるな。けっこう硬い。痛いか?」「ぜんぜん。」「いつから?」「わかんない。けど、だいぶ前かなぁ?」「そーか、何か感じたり、痛かったり、変わったことがあったら、すぐに言わないとダメだぞ。」「ふぁーい。けど、何でこうなるの?」「コレは、外頸骨っていって、おまえのかーさんにもある。全部の人に出るわけじゃないから、遺伝だな。痛くないなら、これ以上出ないようにすれば大丈夫。」「ふーん。どーやればいいの?」「歩き方に問題があるかも。今のうちなら、歩き方を直すのと、少しインソールを直せば、OK。少しでも痛くなったら、言えよ。」「うん。」「足を踏み出したとき、カカトが内側に倒れこんでいるんや。オーバープロネーション(過回内)っていって、人間は誰でも歩くとき少し、倒れる(回内)。それがし過ぎになってる。頑張って走ってるからかもしれないな。痛くなったら、サッカー休んだ方がいい。」「えー。やだよ。」「あのなあ、足痛くなって一生サッカーできなくなるより、2~3ヶ月かかってもしっかり直す方がいいだろ?」「そんなに休まなきゃいけないの?」「注意しなかったり、やるべきことをやらなければな。今はそこまで行ってないから、オレの言うとおり、気をつけていれば大丈夫。」「よかったー。」「しばらく様子を見て、改善されなかったり、痛くなったりしたら、医者に行って診てもらお。」「はーい。」「アウトエッジ着地を忘れないことと、毎日やってる四股トレーニングで、つま先とヒザの向きを揃えること。絶対に続けろよ。」「はーい。」出る人は普通の生活をしていても出るのかもしれないが、ひとつの原因かと思われるのは、クリに、二直線歩行を強要し、つま先を外に向けさせていること。つま先は常に外旋させているのが、股関節、ヒザから連動して外旋せず、つま先とヒザの向きが違っているのだろう。そのため、ヒザの向きとつま先の向きが同じでなく、ヒザが内側に入りやすいのだろう。外旋、外旋と言い過ぎなのかもしれない。実際には、普通の人が見ても分からないぐらいではあるが・・・。走る足は、センター寄りに引き寄せられながら、前に出て行く。そのまま、ヒザが真っすぐ前を向き、つま先だけが外旋して外を向くため、着地したとき、ヒザが前に真っすぐ曲がり、足首が内側に折れてしまう状態。着地時、左足のインエッジで地面を蹴ってしまう。インエッジで地面を捉えたまま、外旋するような動きが生まれているのかもしれない。それが、繰り返されることによって過度の回内を生み、足首内側に荷重がかかって、外頸骨を飛び出させた原因。特にクリの左足は、右足キックを支える足なので、使用頻度過多、オーバーワークが考えられる。反省。何かを教えるということは、最後までケアする責任をも負うということだ。細かいところまで、チェックし、定期的に検証しなければならない。また、クリが、自分でできるようにもしてやる必要がある。外反母趾なんかにも同様の注意は必要。「クリ、まずは歩き方、走り方をもう一回チェックしよー。気をつけることを言うから、覚えとけ。」■ 二直線歩行。■ 外エッジ着地の感覚。切り返しも外エッジで。■ 少し外に向いたつま先とヒザの向きが同じ方向を向くようにする。■ 外旋は股関節から始まり、ヒザ、足首が連動してつま先が外を向くのに繋がる。つま先だけが外を向くのではない。■ ヒザが内側に曲がって足首がインサイドに負荷を受けて曲がるのは良くない。■ 地面は蹴らない。蹴らずに出す前足に乗り込んで行く。■ 股割(毎日のエクササイズ)の時、ヒザの向きとつま先が上から見て合っているかチェック。その時、骨盤、背骨が、前後に倒れていたり、曲がっていてはいけない。垂直に立つ。「靴とインソールのチェック。」■ 土踏まずが落ちてアーチがなくなりやすいはず。アーチが弱いために回内しているとも考えられる。足裏の強化、アーチがしっかりできるまでは、アーチをサポートしてやる。⇒全部の靴のインソールの上か下に、アーチサポートパッドを張る。■ 広すぎる靴、長すぎる靴は、要注意。■ カカトのホールドが弱そうなインソールは、カップがしっかりして、クッションがよさそうなもの(裏にパッドが張ってあるようなタイプ)に取替える。■ 痛くなる。または改善しないようなら、ドーナツ型パッドを骨のところに貼って抑える。「足裏の3点アーチをしっかりつくろう。」■ お風呂に入ったとき、足首を回したり、指を広げたりする。足裏、足指、足首、ヒザ、股関節など下半身全体を柔らかく保つストレッチは欠かさないこと。■ 足指を持って上(足首側)下(前)にゆっくり曲げるストレッチもやる。足の裏の筋肉を鍛える。■ タオルギャザーもな。指先だけでやるなよ。指は真っすぐ伸ばしたまま、付け根から曲げる。タオルを足裏の曲げ伸ばしで引き寄せる。■ 足指でグッパー運動。■ 裸足にサンダルも足指の運動にはGOOD。