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カテゴリ:怪奇幻想小説
副題を《アメリカン・ファンタジーの原点》とする本書は、『ムーン・プール』などで知る人ぞ知る作家、メリットの日本オリジナル短篇集。どれも「境界」を扱っているのが特徴。
『タイム・マシン』のモーロックを連想させる表題作や、動物と人間の精神の境界を越える「蜂になった男」、時空を超えた恋愛「中世フランス語の幻」、『鏡の国のアリス』よりもっと大人のファンタジー「竜鏡の向こうに」、森と人間の争いに巻き込まれた男の話「樹精の復讐」、人間とロボットの争いを描いたこの作家にしては異色のSF「最後の詩人の決断」。 「古代マヤ神の復活」は短篇として読めないこともないが普通小説のようだ。それもそのはず、ヒロインが神として目覚めるのは先の話で、これは絶筆なのである。同じことは「白い道への門」にも言える。 「金属怪獣の女王」は、逆に長編『金属モンスター』からの抜粋。ハガードの『洞窟の女王』をもっと幻想的・狂的・メタリックにした感じ。松本零士先生に漫画化していただくときっと素晴らしいものができるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.05.18 06:10:55
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