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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2019.02.16
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カテゴリ:現代日本文学
​​『蒼穹の昴』​及び​『珍妃の井戸』​の続編である。
『蒼穹の昴』の冒頭、老占師にお告げをもらったのは李春雲だった。
物語は、春雲と彼の親友、梁文秀を軸に、歴史上の人物を巧みに織り交ぜて展開した。

『中原の虹』で、同じ占師がお告げをする相手は、張作霖である。
歴史上の人物だ。
物語は、彼とその宿敵、袁世凱を軸に虚実織り交ぜて展開される。

春雲や西太后、光緒帝、トム・バートンやミス・チャンのようなおなじみの顔ぶれも登場するが、どちらかと言えば脇役にすぎない。
脇役の中でも、実在の人物の存在感は圧倒的である。
例えば西太后。
彼女は死してなお影響力を発揮する。
もちろん、小説だからできることである。
例えば光緒帝。
あえてひらがなばかりで表記された彼の電文は読む者の心を打つ。
トム・バートン。
彼の死は、小説を読む者のの心に永くとどめられるだろう。

歴史上の人物も負けていない。
宋教仁。
最後の演説は圧巻であった。
袁世凱に暗殺されたことになっているが、小説家は、通説を拒んだ。
それは正解だったと思う。

浅田次郎は、この小説で、見事、「西太后を美化しすぎる」という批判に応えた。同時に、袁世凱を気弱な俗物として描くことで、本当の巨悪の存在をあぶりだして見せた。

​「わが勲は民の平安」​

本書のキー・ワードである。

清の「始皇帝」も、西太后も、張作霖も、袁世凱も、宋教仁も、思いは同じだったとあえて主張することで、本当に中国を食い物にしたのは誰だったのか、読者に語り掛ける。

残念なのは、現在の台湾の方にこのキー・ワードがふさわしいにもかかわらず、中華人民共和国がバナナを牛耳ろうとしていることだ。

「わが勲は民の平安」​

それが​『1984年』​のような平安なら、まっぴらごめんこうむりたい。


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Last updated  2019.03.31 14:35:44
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