|
カテゴリ:雑誌
休日。
午前中、睡眠。 日記更新。 いよいよ暑くなってきたので、今夏、初クーラーを。 「子どもと昔話」連載中、小沢健二「うさぎ!」を読む。 「子どもと昔話」とは、口承文芸学者である小澤俊夫の責任編集による、小澤昔ばなし研究所が編集発行する季刊誌。小澤俊夫は、小沢健二の父にあたる。 あの小沢健二が、音楽活動もそこそこに、このような目立たない媒体でなにを書いているのか。とても興味をそそられるので、これはひとつ確認しなければと。 現在、3話まで発表の「うさぎ!」。掲載誌とタイトルから、可愛らしくラブリーな感じの童話を勝手にイメージしていたのだが、読んでびっくり、いやはや、とてつもなく痛烈じゃないですか。 対象年齢は、大人じゃないような子供じゃないような。 ここまではっきりと、現代社会の仕組みを暴いている物語はなかなかないだろう。村上龍あたりが読んだらどう思うか。 今作は、2005年10月から連載開始。ここで描かれているものは、ライブドアからニートに至る格差社会であり、「豊かな国」が「貧しい国」に対して行なっている残酷すぎる事実であり、マスメディアによる情報操作であり、大企業とファシズムであり、民主主義のからくりであり、「自己責任」の欺瞞であり、ダーウィニズムの誤解であり、そして、昔話の効能の素晴らしさである。 「あの宴会場で演説をしていた人は、『強いものが勝つのだ』『弱肉強食が自然のおきてなのだ』と、ライオンや虎や鷹の例をさかんにあげていました。しかしよく考えたら、ライオンも虎も鷹も、みんな絶滅寸前ではありませんか。」なんて一節は、小沢健二の皮肉屋で毒舌家な面がとてもよく現れていて、「ウキウキ通り」以上に痛快。 今はまだ連載の途中で、とてもマイナーな媒体だから限られたひとにしか届かないだろうが、これが書籍化されたら世間はひっくり返るんじゃないか。 いっそ、学校の教科書にしたらいいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[雑誌] カテゴリの最新記事
|