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よろめいて 既成概念の 苔落とす
さて、私が手塚治虫作品で奇想天外文庫から出版されて持っている最後の作品集(以前この文庫から出ている「フースケ」「すっぽん物語」については書いたので)のコメントです。 この「よろめき動物記」には、例の下村フースケなる人物は登場いたしません。所収されている作品は「ヌーディアン列島」「よろめき動物記」「アポロはなぜ酔っ拂ったか」「異法人」「角」「反射」でして、この作品集は奇想天外文庫以外からは、どうやら出ていないようですね。 で、この本、よろめいてしまうのは表題の「よろめき動物記」の連作さんもさることながら、ドショッパツに収められている裸社会の日本になったお話、「ヌーディアン列島」です。この作品、相当ムリがあるよ~、と言う方がおられれば、私もなるほど仰られるとおり、そう思いもします。でも、さすが、シチュエーションマンガ、大前提なる世の中の環境を変えますれば、人間って、なんだかんだ言いながら順応していくんですね。新しい環境に適合しちゃうんですね。 私たちは「ありえないじゃろ~、そんなことないじゃろ~」そう思うのでありますが、例えば昭和という時代、特に前半である戦前に人間形成されてしまった方々は、今の世の中を「ありえないじゃろ~、そんなことないじゃろ~」と思いつつ、そうなってしまっていると思ってられるのではないでしょうか。 そして、今は当り前、そう思っている人々の様々な事柄も、なんのことはない、その後の新たな環境の推移や変化によって、同じように思わさせられる二の舞を演じざるを得ないかもしれない、のですよね。この作品集「よろめき動物記」の連作の中にもありますが、途中でミミズが切られた半身を生やすが如く、自らの作品も、あとは他の作品から生えてくるから大丈夫、なあんて捨て鉢なる言訳に押し留めるのも、ひょっとかしてもしかして、けっして捨て鉢ではない、本当に生えてくるかもしれませんよね。 えっ、えっ、実は、かつての自動書記とは異なる、実際に、自己増殖し、もともとの書き手なんか要らない物語の自動創造が世の中に今いっぱい出回っているらしいじゃないですか。おおおっ、私たちは「ありえないじゃろ~、そんなことないじゃろ~」という既成概念は明日、すぐ破られる時代に突入しているってことなんですなあ。 ああ、ゆうらりとよろめいている場合じゃない、なんて。これって、素晴らしいこと、アホ臭いこと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^
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