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ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Nov 1, 2015
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長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

天草の山野草


20151101@山野草1
20151101@山野草2
20151101@山野草3
20151101@山野草4

症例報告

20151101@4068@548
親戚からの紹介である。既往歴:H16/10左小脳梗塞。H16/12左後頭葉脳梗塞。H18/3右視床出血、左不全片麻痺。H18/7左大腿骨頸部骨折。H18/10右小脳出血。 物忘れ、昼間傾眠、せん妄、四肢硬直、嚥下困難、語義失語を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮なし、3.側頭葉萎縮中等度、4.海馬萎縮軽度、5.左小脳出血性梗塞、右頭頂葉/右後頭葉/左後頭葉脳梗塞、境界領域梗塞、6.その他:両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。H27/3/19-5/3&H27/7-8/12誤嚥性肺炎。在宅看取りとして退院後、認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5-9mgを再開、NewフェルガードLA2包を勧めた。四肢硬直にニュープロパッチ2.25mgを再開、グルタチオン2000mg点滴を1週間続けた。せん妄/昼間傾眠にシチコリン1000mg静注を毎日続けた。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR4Capを勧めた。1か月後、上記周辺症状すべて改善した。再度、プロルベインDR2Capを勧めた。2か月後、寒天エネーボ750mL=900KCal、プリン2個などが摂取できるまで回復した。

20151101@6064@549
ケアマネからの紹介である。既往歴: H25人工透析週3回。物忘れ、易興奮、金銭浪費、車の鍵に執着、甘い物好き、収集癖、肘付き、生真面目、歩行不安定、振戦、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.左>右前葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮中等度、4.海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域型梗塞、6.その他 左慢性硬膜下水腫。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:5、レビー・ピック複合(LPC)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。認知機能低下にリバスタッチパッチ2.25mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始、プロルベインDR4Capを勧めた。21日後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+3)、近時記憶6/6(+-) と中等度改善、いらいら偶に以外上記周辺症状はすべて消失した。

20151101@6054@550
知り合いからの紹介である。内科1.へルベッサー2.ブロプレス2mgなど。物忘れ、幻視、夢の続き、妄想、炊事能力低下、味覚低下、歩行ゆっくりを呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.側頭葉萎縮なし、4.海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:0、レビー・ピック複合(LPC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。幻視に抑肝散5g/アスパラK1.2gを開始した。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、プロルベインDR4Capを勧めた。BP112/60と血圧降下しており、BP130-150を目標にブロプレス2mg中止した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+4)、近時記憶4/6(+2) と中等度改善、いらいら偶に以外上記周辺症状はすべて消失した。

20151101@6055@551
知り合いからの紹介である。物忘れ、物とられ妄想、易興奮、鬱状態、感情失禁、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞軽度、6.その他 左>右ピック切痕。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6 と軽度低下していた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式: 21/30(+-)、近時記憶3/6(+-) と認知機能不変、上記周辺症状はすべて消失した。

20151101@6044@552
ケアマネからの紹介である。物忘れ、幻視、暴言、易興奮、帰宅願望、語義失語を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮なし、3.左>右側頭葉萎縮中等度、4.左>右海馬萎縮中等度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、境界領域梗塞、6.その他 両側基底核および歯状核石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:5/30(+2)、近時記憶0/6(+-) と軽度改善、幻視、いらいら偶に以外上記周辺症状はすべて消失した。幻視に抑肝散2.5gを開始した。

20151101@キンカンとカタツムリ

病院で看取りと宣告された患者 在宅で奇跡の大復活

定期往診していた97歳女性の患者が誤嚥性肺炎のため中核病院に入院されました。肺炎治療が終わり、嚥下機能評価として嚥下造影検査(VF)や内視鏡嚥下機能検査(VE)が行われ、嚥下不能と診断されました。末梢点滴だけでは低栄養になってしまうため内頸静脈からの中心静脈(Central Venous=CV)を選択され、栄養補給されていました。

御家族が在宅へ戻ることを希望されたため、主治医から胃瘻造設または皮下埋込式中心静脈(Central Venous=CV)ポート作成どちらかを選択するように勧められました。元々、御家族は延命処置を望んでおらず、胃瘻造設も、CVポート作成も希望していませんでした。どうしたらいいか迷った御家族から筆者の携帯電話に連絡が入りました。御家族は「在宅看取り覚悟で自宅に戻して上げたい。胃瘻造設やCVポート作成などの延命処置は望まず、出来るだけ経口摂取で復活を試みたい。」というご希望でした。ケアマネージャーや訪問看護師と相談の上、御家族の希望を受け入れ、筆者の定期往診に合わせて退院日を決めることにしました。

患者さんはレビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患と脳血管性認知症(VD)を併せ持っておられ、DLBに伴うパーキンソニズムのための咽喉喉頭筋硬直、VDに伴う仮性球麻痺(両側脳梗塞のために起こる咽頭喉頭筋麻痺)を合併しているため嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を繰り返していました。入院する前は、定期往診時に認知症治療薬としてリバスタッチパッチ4.5mg、抗パーキンソン剤としてドパコール200mgおよびニュープロパッチ2.25mg、興奮系薬剤としてサアミオン10mg、覚醒系薬剤としてシンメトレル50mg、嚥下機能回復のためNewフェルガードLA1/2包を投与していました。入院後、肺炎治療を優先され、パッチを含めてすべて中止されていました。

いよいよ、退院日となり、筆者が御自宅に定期往診しました。呼び焼けや痛刺激に開眼せず、かなり、重度な意識障害の状態でした。DLBに伴う意識障害であると判断して、直ちにパッチ製剤であるリバスタッチパッチ4.5mgを再開、次ぎにシチコリン1000mg静注を開始し、覚醒するまで毎日続けることにしました。入院後、すべての抗パーキンソン病薬を中止されたため四肢は硬直しており、DLBに伴うパーキンソニズムの悪化していました。咽頭喉頭筋を含めた全身の筋肉が硬直したのですから嚥下機能は入院後更に悪化していたのです。直ちにパッチ製剤であるニュープロパッチ2.25mgを再開、点滴直後から筋硬直を緩和できるグルタチオン2000mgを開始し、7日間連続で行うことにしました。

迅速に嚥下機能を回復させることが不可欠であり、嚥下機能回復の第一選択であるNewフェルガードLA(グロービア)2包1日2回朝夕食前、第二選択であるカプサイシンプラス(三和化学)毎食前2枚の併用を勧めました。それに加え、VDに伴う仮性球麻痺を改善する目的でプロルベインDR(カイン)4Cap1日2回朝夕食前を勧めました。プロルベインDRは脳全体の血流増加により、意識障害の回復も見込めると判断しました。

でも、嚥下困難があるのにどうやって飲ませたのでしょう?ここは介護歴20年の百戦錬磨の御家族の寒天固め法が役に立ちました。色々な固さの寒天を試し、これなら飲み込めるという固さを見つけ、サプリメントを寒天に混ぜてから固め、上手に飲ませることに成功したのです。充分な水分摂取は嚥下機能が回復するまでは無理であり、末梢から毎日500-1000mLの点滴を開始し、2週間続けることにしたのです。

1か月後に定期往診したときには、やや覚醒傾向し、四肢硬直も回復傾向が見られました。嚥下機能は回復したものの、経口摂取は経口栄養剤エンシュアH250mL(375Kcal)/日を寒天に固めたのが漸く食べられる程度でした。良く話を聞いてみると、フェルガードLA2包だけしか寒天に入れていないというではないですか。筆者の説明不足だったのかも知れません。直ぐにプロルベインDR(カイン)4Capを追加するように勧めました。シチコリン1000mg静注も2日間中止していたということで、必ず、毎日シチコリン1000mg静注を継続するように伝えました。経口栄養剤エネーボ500mL(600Kcal)/日を寒天に固めて経口摂取するように指示しました。また、意識回復のためサアミオン10mgおよびシンメトレル100mgを再開しました。

2か月後に定期往診したときには、完全覚醒し、四肢硬直も消失し、車椅子に移乗して生活を送れるようになっていました。嚥下機能も完全に回復しており、経口栄養剤エネーボ750mL(900Kcal)/日を寒天に固めて経口摂取できるようになっていたのです。もう、完全復活したと言っても良いでしょう。御家族や訪問看護師とは「病院の先生に経口摂取しているビデオを見せてやりたいね」なんて言いながら、はしゃいでいました。これを奇跡の復活と言わずに何と言えばいいのでしょう。こんな奇跡が起こるから筆者は諦めない医師であり続けるのです。

20151101@下田海岸の夕陽
下田海岸の夕陽





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Last updated  Jun 18, 2023 05:07:44 PM
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