1365240 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Category

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Favorite Blog

Comments

コメントに書き込みはありません。
Nov 8, 2015
XML
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト​

天草の風景

20151108@天草の空と海
20151108@天草大橋3号橋
20151108@本渡諏訪神社例大祭1
20151108@本渡諏訪神社例大祭2
20151108@本渡諏訪神社例大祭3


症例報告
20151108@5925@553
ケアマネからの紹介である。物忘れ、寝言、幻聴、易興奮、鬱状態、昼間傾眠、徘徊、便失禁、食欲低下、アパシー、病識欠如、甘い物好き、収集癖を呈していた。。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮中等度、3.左>右側頭葉萎縮軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ梗塞数カ所、6.その他 大脳半球萎縮、左>右ピック切痕。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:5、レビー・ピック複合(LPC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:16.5/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ2.25mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16.5/30(+-)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。認知機能低下にリバスタッチパッチ2.25mgから4.5mgへ増量したした。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+2)、近時記憶3/6(-2)と更に軽度改善した。

20151108@6035@554
知り合いからの紹介である。物忘れ、易興奮、昼間傾眠、甘い物好き、真面目、薬物過敏を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.左>右前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮先端部軽度、4.海馬萎縮なし、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、6.その他 両側淡蒼球石灰化、大脳半球萎縮、左>右ピック切痕、左>右脳室拡大。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:4、レビー・ピック複合(LPC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9 、改訂長谷川式:18/30、近時記憶2/6 と中等度低下していた。認知機能低下にレミニール4mg/ナウゼリン10mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。脳梗塞にプレタール50mgを開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+3)、近時記憶3/6(+1) と中等度改善、易興奮以外上記周辺症状はすべて消失した。易興奮にウインタミン4mg夕を開始した。

20151108@6060@555
知り合いからの紹介である。物忘れ、暴言、暴力、易興奮、悪夢、夜間大声、昼間傾眠、夜間せん妄、易転倒、甘い物好き、収集癖、真面目を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.左>右前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮先端部軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、境界領域梗塞、6.その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:4、レビー・ピック複合(LPC)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。前頭葉症状にウインタミン夕4mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。悪夢/夜間大声に抑肝散2.5g/アスパラK0.6gを開始した。脳血管性認知症(VD)にプロルベインDR4Capを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+3)、近時記憶6/6(+2)と治癒状態となり、上記周辺症状はすべて消失した。

20151108@6061@556
ケアマネからの紹介である。物忘れ、アパシー、鬱状態、感情失禁、尿便失禁、食欲低下、甘い物好き、語義失語を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.前頭葉萎縮軽度、3.右>左側頭葉萎縮先端部軽度、4.右>左海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞多数、境界領域梗塞、6.その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:4 、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)にとして治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:20.5/30、近時記憶3/6 と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、プロルベインDR4Capを勧めた。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+0.5)、近時記憶4/6(+1) と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。

20151108@5923@557
ケアマネからの紹介である。内科 ジェイゾロフト25mgなど。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、入浴拒否、着替え拒否、介護抵抗、夜間せん妄、徘徊、収集癖、盗癖を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.右>左前頭葉萎縮軽度、3.右>左側頭葉萎縮軽度、4.右>左海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ脳梗塞数カ所、6.その他 右淡蒼球石灰化、右>左大脳半球萎縮、右ピック切痕。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:4、レビー・ピック複合(LPC)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶4/6 と軽度低下していた。前頭葉症状にウインタミン朝4mg夕6mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。幻視に抑肝散2.5g/アスパラK0.6gを開始した。鬱状態にジェイゾロフト25mgを継承した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(-4)、近時記憶1/6(-3) と中等度低下、幻視時々以外上記周辺症状はすべて消失した。幻視に抑肝散2.5g/アスパラK0.6gから抑肝散5g/アスパラK1.2gへ増量した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2)、近時記憶3/6(+2) と更に中等度改善、、幻視偶に以外上記周辺症状はすべて消失した。

軽度認知障害なら完治できる

あなたの親が認知症になったかなと思ったら、あなたが認知症の知識を身につけるべきであることは分かっていただけたと思います。あなたの親が「日常生活には困らないけれど何だかおかしい」と感じたときが治療を開始すべき時であると言えるでしょう。

筆者の認知症専門外来では改訂長谷川式簡易知能検査および時計描画テストを採用して、認知症であるかどうかの診断を行っています。これらの検査で認知症であると判断された場合は既にある程度進行した状態であると言えます。従って、あなたの親が少しおかしいと感じた時に認知症治療を開始すべきなのです。もし、早期診断、早期治療できれば認知症を発症せずに正常に戻すことが出来ることを覚えておいて下さい。

最近では軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)という概念が導入されています。軽度認知障害というのは「日常生活には困らないけれども本人または家族が物忘れを感じる認知症の前段階状態」のことを言います。専門用語に言い換えると、「認知機能低下よりも記憶機能低下が主兆候で主観的・客観的に記憶障害を認めるが、一般的な認知機能・日常生活能力はほぼ保たれる認知症の前段階状態」となります」。

軽度認知障害と診断されると1年で12%、4年で50%が認知症に移行すると言われています。しかし、軽度認知障害の段階で早期診断・早期治療すれば14-44%は改善することが報告されています。

2013年11月、「日本未病システム学会学術総会」で熊本の国立病院機構菊池病院の副院長(現院長)木村武実先生がフェルガード100M(グロービア)に軽度認知障害から認知症への移行阻止効果があることを報告されました。全研究期間は96週で、発表の時点で10名が終了しており、48週間を経過した患者が21名おられました。48週経過中21名のうち認知症に移行した患者は1例のみ、ADAS-Jcog(記憶を中心とする認知機能検査)は15名で改善、6名で悪化、平均では8.66点から7.70点へと有意に改善しました(p<0.04)。96週終了者10名のうち認知症に移行した患者は1名のみ、ADAS-Jcogは 4名で改善、1名で不変、5名で悪化、平均点の変化はなしでした。日本のADNI(Alzheimer`s Disease Neuroimaging Initiative)研究では、軽度認知障害の認知症への移行率は25-30%/年と推計されているため、96週での移行率10%、ADAS-Jcogの平均点不変、48週での移行率4.8%、ADAS-Jcogの平均点が有意に改善したということは驚くべき結果と言えます。

フェルガード100Mはフェルラ酸(米ぬか)とガーデンアンゼリカ(西洋当帰という薬草)の合剤であり、1日量はそれぞれ200mg、40mgが推奨されています。厚生労働省の指導により、読者の方が直接グロービア(東京)から購入は出来ず、医師を通してのみ手に入れることが出来るようになっています。フェルガード類にはガーゼンアンゼリカの多いNewフェルガードもあり、お近くのコウノメソッド実践医の診察を受けてから購入されることをお勧めします。

筆者は日々の診療で認知症治療薬と同格にフェルガード類を扱ってきており、木村先生の結果に全く驚きはありません。ただ、筆者のような開業医の認知症専門外来でフェルガード類のみで2年間経過観察することは困難なのが実情です。木村武実先生が国立病院の病院長という立場にありながら、軽度認知障害にフェルガード100Mに効果があると科学的に証明して下さったことにただただ敬意を表する次第です。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Jun 18, 2023 05:07:36 PM
[認知症専門外来と専門往診の二刀流] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.