『雨夜の星たち』~寺地はるな
「疲れる。めんどうくさい。」と人に思われる主人公の三葉雨音。最初は、会社で起きた出来事に精神的なショックを受けたからなのか、何かの症候群なのかと思ったが、そうではなく、それが三葉ちゃんだった。「マナー、暗黙の了解、常識、察すること」三葉ちゃんにはわからないのか、わかろうとしないのではなく。雨夜の星たち【電子書籍】[ 寺地はるな ]友だちはいないかもしれない、まわりの人を怒らせてしまう三葉ちゃんだけど、誰もまわりに人がいないわけではない。三葉ちゃんから去っていかなければ、そこにいる人はいる。そして、三葉ちゃん自身も変わっていく。本人に自覚があるかは別として。三葉ちゃんのお母さんみたいな人たくさんいると思うし、そんな親に苦しんでいる子どもも多い。三葉ちゃんのお姉さんの気持ちもわからないではないけど、そこまで言い切らなくても良かった。そこまで言い切ったことで、お姉さんはこれから後悔するのではないかと思った。