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カテゴリ:牧場
9月14、15日に道東の別海町で「馬事競技大会」が行われました。土曜は競馬や繋駕で、日曜はばん馬レース。2日間にわたる馬のお祭りで、毎年夫婦で訪れるのを楽しみにしています。
「別海町産業祭」に合わせて行われており、さまざまな海産物や牛乳、乳製品が並んでいました。 詳細はまたあらためて、紹介いたします。 それに合わせて、根室の下内畜産を訪れました。「アアモンド」の冠でおなじみの、下内美繪子さんの牧場です。 今年からは白と黒のぶち毛で人気のモノクロチャンが繁殖入りしています。 根室の馬事振興に貢献した下内勝さんが開場。勝さんは10数年前に亡くなりましたが家族が引き続き馬を育てています。 近くにある北方原生花園に馬を放し、笹だらけになっていた花園に花を復活させたのも勝さんでした。 (馬は毒のある花を食べないから、アヤメなどのきれいな花だけが残ります) 今は花は終わっています ちなみに冠名の「アアモンド」の由来はというと… その昔、4月に行われる2歳の能力検査には千頭近くが登録し、3日間行われた時代もありました。 この名簿の中から自分の馬を探すのは大変。と、1番から並ぶ冠を考えた結果「アアモンド」になったそう! アイデアマンですよね~。 繁殖牝馬は11頭。1歳馬は少しずつ競馬場に入厩し、取材時は7頭がいました。 1歳馬たち 種雄馬はアコガレとアサノカイリキの2頭。 アサノカイリキはハクタイホウの父ですね。 来たばかりのアサノカイリキは、モノクロチャンと子連れの馬にやたら声を掛けていました(笑)。 遠くでアコガレが「俺の女に手を出してんじゃねーよ!!」と言わんばかりにいなないていました(笑) アコガレ、遠くの放牧地にいたので小さいですが、いななきは聞こえてきました(笑) 牝馬を見ています… モノクロチャンは少しずつ牝馬たちの群れに慣れてきたそう。親子馬と一緒にいることが多かったように見えます。 もう1頭いるぶち毛は愛永姫といって、ブチオやカレンの母、アローマドンナのお母さんです。 ちょっと遅めですが、この日に無事出産したそうです! 「アアモンド」の馬にはぶち毛が多いですね。馬のほか酪農も営んでいた勝さんは、赤(茶色)と白の牛など変わった毛色が好きだったそうです。 さて、勝さんは共進会やばん馬大会に力を入れていました。 奥の家を案内されると、トロフィーがたくさん!! 賞状は天井にまで所狭しと貼られていました。 ばん馬大会の景品だというスクーターもありました。 酪農と両立をしながら、かなりの苦労をしてここまで馬を育てあげてきたそう。黒ユリ賞に出走したアアモンドオリューや、草ばん馬で活躍したジョウセイハトップ(草ばん馬ではノサップ)のほか、ばん馬、競馬、繋駕で優勝したという小格馬のターザンなど、地域の有名馬がいました。 中でもネムロリキは17連勝をしてテレビ番組「本物は誰だ」に出演したそうです。もともと山で「丸太出し」をしていたそうで、山が上手だとか。 息子さんが小学生の時に乗ってハンディを300キロつけられ(軽いからってつけすぎですよね笑)、1300キロで悠々と勝ったそうです。 しかし、勝さんはばんえい競馬では「肩掛けは取れなかった」そう。 初重賞が2010年はまなす賞のアアモンドヤマト。その後アアモンドグンシンの活躍はご存じの通りです。 十和田の絵馬師、三浦啓秀さんが描いたというモノクロチャンも飾られていました。プレゼントされたそう 今では「自家生産にこだわらない」といいます。生産者賞などもありますが、あえて物事を広く考えているそう。 「生産馬は生まれてくれるだけでいい」とのことでした。 納沙布岬の近くにも馬が放牧されています それから中標津にある大西さんの牧場に行き、種雄馬のニシキエーカンとキョウエイボーイに会わせてもらいました。 ニシキエーカンは今年度馬事協会から配属された馬。35頭くらいに種付けを行ったそうです。 種付けの時など「バネがすごい」とそう。パワーを受け継ぐ子の誕生が楽しみですね。 キョウエイボーイもおとなしく、逃げたポニーが入っていても2頭でおとなしくしていたとか。 2016年1歳馬決勝大会で優勝した、ヒメオリュウの父もキョウエイボーイでした。 ここで、大西さんからお知らせ。10月22日に釧路市大楽毛で「乗用馬オークション」が行われます。 https://www.jouba.jrao.ne.jp/wp/information/5660/ ここ最近、春はノーザンホースパーク、秋は大楽毛で乗用馬市場が開催されています。 草ばん馬を見ていると、ポニーばん馬があったり、乗馬競技があったりするので、幅広い馬文化に触れることができます。 帰りには、2013年まで行われていた「標津・中標津連合馬事競技大会」の会場跡地を見てきました。 まっさら…… ここは高倉健さん主演の映画『遥かなる山の呼び声』のロケ地「南中競馬場」でもあります。それだけに廃止は残念でした。 文・小久保友香、写真・小久保巌義 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年10月16日 20時00分03秒
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