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カテゴリ:医療全般
開業医の収入が勤務医の1.7倍に達するという。
大方の報道では、「開業医儲けすぎ」みたいなニュアンスで書かれている。 勤務医と開業医ではかなり平均年齢がちがう。開業医の平均年齢の方が一回り上だから、高いのは当たり前だ。 そして何よりも開業医は経営のリスクを負っている。 開業には多額の借金が必要になる。それを20年、30年かかって返していかなければならない。赤字であっても従業員に給料を払わなければならない。 負債を抱えてつぶれてしまい夜逃げ同然で姿をくらました開業の医師も身近に何人かいる。 雇われの身であれば、病院がつぶれてもまたどこかで働ける。自分が借金を背負う必要は無い。 経営のリスクを負っていることを考えれば1.7倍の収入差など当たり前のことだと思う。それは医療に限らず、どの分野でもそうではないだろうか? 厚労省はこのデータをもとに、勤務医に手厚い診療報酬改定を行うようだ。しかし診療報酬の改訂が勤務医の給料アップにつながるかどうかは疑問。というか実際赤字病院が多いことを考えると、勤務医の給料増加という形で表れることはほぼ期待できないだろうなー。 診療報酬改定の効果としては、開業がうま味の少ないものになれば勤務医としてとどまる医師が増えるということを期待しているのだろう。 ただ産婦人科に限って言えば、この効果もほとんどゼロである。開業する医師が多いから産婦人科勤務医が少ないわけでは無い。若手医師の絶対数が少ないことと、女性医師の増加で名目上の数よりも現場の戦力になっている数が少ないためである。(決して女性医師を恨んでいるわけではない。うまく活かせない環境が歯がゆいということ。) むしろ開業医でできるだけローリスクの出産を引き受けてもらうことが我々勤務医の負担減につながる。ようするに上手く棲み分けができるかどうかが重要なのである。そこを見誤ると、開業の先生方が立ちゆかなくなり、「なんでもかんでも最初から大きい病院に」ということになり、勤務医はさらに疲労していくことになるだろう。 毎年のように開業産科施設が減少していく現状を考えると、経営リスクを抱えて必死でお産を取り扱っている開業の先生の収入はもっと増えたっていいと思う。 もちろん我々勤務医の給料も増えて欲しいけどね・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.10.06 09:33:54
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