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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2004.12.11
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IBMパソコン部門の買収を発表した「聯想(LENOVO)」ですが、マスコミを含め北京の人たちのウケはあまり芳しくないようです(毎日Web)
マスコミの論調は:
(1)IBMの不採算事業を不合理な金額で買い取ることになった聯想の将来に悲観的
(2)聯想がIBM並みのコンシュマ・サポートを提供できるかという疑問
(3)利ざやの大きな企業向けソリューション・サービスに特化したとしてもIT業界のキングである続けるであろうIBMのしたたかさ
などクールなもので、聯想による企業買収を手放しに褒め称えたり祝福する論調はあまり見受けられません。ポータルサイトSOHUの評論(中国語)は、この二つの企業のカルチャー・ギャップを「北京-ニューヨーク間6,800マイルの距離」と表し、そう簡単には縮まるはずが無い、と酷評しています。

とかく中国は、アメリカや日本などに対する優越性を重視していますから、アメリカの一流企業を中国企業が買い取る、というニュースは、国家挙げて祝福され、歓迎されるものだと思っていました。発表のあった日のNHKでは、インタビューに答える北京市民は皆大喜びしていましたが、私同様に中国の反応を見誤ったNHKの早とちりで、少数意見をオンエアしてしまったようです。
私の周りの北京の人たちも、このニュースには思いのほかクールな反応でした。
聯想の本社は北京にあります。排他的な北京っ子であっても、この地場企業の「快挙」には誇りを持っても良さそうなものですが。いろいろ理由を聞くと:
(1)今回の買収はあまりにも「儲からない買い物」だと思われているようです。中国人の商売感覚では、話題性があろうと儲かりそうの無い投資をする奴はあまり賢くないらしいのです。
(2)この買収発表後に就任した聯想の新しいCEOがアメリカ人なのも気に入らないようです(中国青年報ウェブ・中国語)。元々IBMでThinkPad事業を統括してきた人材ですから、「北京-ニューヨーク間6,800マイルの距離」を縮めるために、当たり前と言えば当たり前の人事なのですが、中国を代表する企業だったら中国人にやらせぇ、と言う感情が、中国人にはあるようです。
(3)聯想(LENOVO)の日頃のサービスに対する不満があるようです。他の国産パソコン・ベンダーと比較するとLENOVOのサポートはあまり良くないらしいのです。北京の人が「北京っぽい」と言う位ですから、かなり官僚的なのでしょうか。そう言えばウチのオフィスのデスクトップもいつの間にかLENOVO(旧LEGEND)からFortune(方正)に変わっていきました。IT担当の社員に聞いたら「頭にきたから」だそうです。
実はこの「サービス」と言うのが、中国におけるブランド・イメージの重要な構成要素にもなっているのです。

中国のグローバル企業と言えば、まずはHAIER(ハイアール・海爾)を思い浮かべます。次あたりが聯想(LENOVO)って感じでしょうか。ハイアールのほうは山東省の青島の企業なのですが、田舎者を馬鹿にしがちな北京っ子にあっても、比較的ウケが良いのです。
北米では小型冷蔵庫、中東やヨーロッパではエアコン・洗濯機のマーケット・シェアがトップクラスという実績を、既に確立している中国ブランドだから、中国の人たちが誇りに思っているかと言うと、そうでもないようです。ハイアールは、どちらかと言うと中国にしては控えめで実直な会社なので、こうした海外での成功を大々的にPRしてませんから、フツーの中国人はハイアールの海外での実績をあまり詳しくは知らないようです。

いろいろ聞いてみると、ハイアールはサービスが良いらしいのです。ハイアールはCRMに力を注いでいて、そのサポートの緻密さは日本のテレビ番組などでも取り上げられているくらいですが、相変わらず丁寧なサービスを維持しているのでしょう。私自身、この二つの企業を訪問したことがあります。ハイアールには暖か味を感じましたが、聯想のほうは「北京っぽい」感じ、つまりクールな感じがしました。こうした感じがコンシュマに対するサービスにも現われているのかも知れません。

聯想(LENOVO)とハイアール。中国を代表するグローバル企業と言えるのでしょうが、北京では、ハイアールの好感度のほうが高いようです。IBMパソコン部門の買収を、華々しくお祝いしてもらえなかった聯想との決定的な違いは、サービス、CSにあるような気がします。
中国の消費者はアフタ・サービスやサポート体制をほんとに重視しますから、中国で事業展開する日本企業もほんとに気をつけなければなりません。





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Last updated  2004.12.11 02:48:15
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