日本共産党の笠井亮議員は、憲法を擁護する立場から東京新聞のインタビューに応えて次のように述べています;
-国民投票法が成立した。
「(与党の)数の力でごり押しされたが、国民の要求でつくられたのではなく、『こんな欠陥法の国民投票で憲法を変えてほしくない』という声が広がった。自民、公明、民主三党の『信頼関係』にも大きな亀裂を残した。改憲勢力にとっては(憲法改正の)仕掛けはつくったが、機能する見通しは立ってないんじゃないか」
-衆参両院に設置される憲法審査会に、共産党はどう臨むか。
「最短で二〇一一年改憲が既定路線のようにいわれているが、(国民投票法という)法律自体はそんなことは決めてない。憲法の全条項を守り、改憲案を発議させないという立場で、堂々と論戦をやっていきたい」
-自民党が、憲法改正の中身を議論したいと求めてきたら。
「向こうが『改憲する』と明確に言って、改憲(の中身)を出してくるんだったら、正面から立ち向かって論戦する。安倍首相を先頭に、『美しい国』という名の下、日本を戦争する国に逆戻りさせる改憲の危険性と矛盾を、大いに告発していきたい」「世界は今、戦争で(紛争を)解決するのでなく、平和的に話し合いで解決するという大きな流れがある。今こそ憲法九条を必要とする時代。そこも(憲法審査会で)当然訴えていく」
-私学助成や環境権などの面でも改憲論が出ているが、それでも全条項を守る立場か。
「それらの問題は今の意法の下、きちんと対応できる。それらを理由に『(憲法を)変えなければならない』と言う人たちが本当に考えているのは、九条を崩すことだ」
-どうやって改憲案発議を阻止するのか。
「改憲派がどんな仕掛けをつくろうと、国民の意思に反してやることはできない。改憲案を発議させないという国民的な多数派を、どう早く結集するかが課題になる」
-護憲勢力は追いつめられていないか。
「追いつめられつつあるのはむしろ改憲派だ。審議時間が足りないまま(国民投票法という)国民が望んでないものをごり押しした。力ずくで改憲にもっていこうというのは、いかに改憲勢力に自信がないか(の表れ)だ」
2007年5月28日 東京新聞朝刊 12版 2ページ「憲法改正を問う-全条項守るため論戦」から引用
国民投票法案は与党の数の力でごり押しされましたが、だからと言って2011年に憲法を改正することが決まったわけではありません。笠井議員が指摘するように、改憲発議を阻止するために、憲法擁護派の議席を増やす方向で努力したいものです。