【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

フリーページ

2016年11月09日
XML
テーマ:ニュース(99608)
カテゴリ:ニュース
 80年代に小学館が出版した学習漫画「日本の歴史」では、戦後の幣原喜重郎首相が「戦力不保持」をマッカーサーGHQ最高司令官に提案した様子が描かれていたのに、90年代になると「戦力不保持」はマッカーサーの提案だという内容に書き換えられた、と6日の東京新聞が報道している;


 戦争放棄を盛り込んだ憲法9条は、日本側の意思でつくられたのか、それとも連合国軍総司令部(GHQ)に押し付けられたものなのか。長く論争となってきたテーマについて、読者の方から興味深い情報が寄せられた。
小学館の学習漫画は当初、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相の提案と表現していたが、ある時からマッ
カーサーGHQ最高司令官の提案に変わったという。記載はいつごろ変わったのか、どんな事情があったのか、学習漫画を巡る「謎」を追った。

 学習漫画は「少年少女日本の歴史」。第1巻が1981年から刊行されているロングセラーだ。指摘された場面は第20巻「新しい日本」の中で、46年1月24日の幣原・マッカーサー会談を描いた一コマ。出版時期が違うものを探して比べたところ、絵柄はほぼ同じなのに発言内容が変わっていた。



 具体的には、93年3月発行の第33刷は、戦争放棄を憲法に入れるよう提案したのは幣原としていたが、94年2月発行の第35刷はマッカーサーの提案となっていた(第34刷は見つからず)。現在発行されている増補・改訂版は21巻で現憲法制定に触れているが2人の会談場面は描かれていない。

 漫画の表現変更は昨年夏ごろからツイッター(短文投稿サイト)で話題になっていた。その中から「国会前で『憲法は米国に押しつけられたのではなく、日本側が戦争放棄を提案したのです』と訴えるチラシをもらった。配っていたのはシルヒトマン氏」との書き込みを見つけた。

 その人は埼玉県日高市のドイツ人平和歴史学者、クラウス・シルヒトマン氏(72)。幣原や9条について何十年も研究し、日本語やドイツ語、英語で本も出している。幣原提案説に立つ。漫画の表現変更に気づき、新旧の描写を著書に載せたり、はがきにして首相官邸前デモで配ったりした。それが拡散したようだ。

 漫画の表現変更の理由は知らないという。記者も手を尽くしたが、監修した学習院大学元学長の児玉幸多(こうた)氏は2007年に死去。小学館広報室も「記録が残っていない。当時の担当編集も退社し、経緯は把握していない」との回答だった。

◆ドイツ人研究者指摘「湾岸戦争で世界の批判影響か」

 シルヒトマン氏=写真、朝倉豊撮影=に漫画の書き換えや憲法九条について聞いた。



 -幣原元首相や憲法9条になぜ興味を持ったのか。

 「ドイツの平和学会に入り、各国の憲法、特に平和に関する規定に興味を持った」

 -漫画の表現の書き換えに気づいた経緯は。

 「日本人に広く読まれている漫画で、どう表現されているのか興味を持った。最初に幣原がマッカーサーに(戦争放棄を)提案している方を見つけ、その後、真逆のストーリーになっていることに気が付いた」

 -表現が変わった理由をどう考えるか。

 「日本が湾岸戦争で国際的な批判を受けた後、漫画の表現が変わった。日本人が、改憲を現実的な問題として真剣に考え始めた証しではないか」

 -改憲勢力には、9条も時代に合わせて変えるべきだという意見がある。

 「9条は本来、国連が世界連邦として機能し、世界中で武装解除が進むという理想を見据えて策定された。現実はそうなっていないが、今は過渡期。変えたらすべて終わってしまう」

 -9条はむしろ世界に広げていくべきなのか。

 「戦力不保持を明記した9条は際立っている。この条文を各国の憲法に生かすことができれば、大きな起爆剤となるはずだ」


<憲法9条> 戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を明記し、平和憲法の根幹と位置づけられる。1946年1月24日、幣原喜重郎首相がマッカーサーGHQ最高司令官と会談した際に戦争放棄を入れるよう提案したという説と、否定する説がある。

<ニュース読者発> 今回の取材は、千葉県佐倉市の匿名の女性が送ってくださったファクスが発端です。表現が変わった理由は解明できませんでしたが、いろいろ気づかされたことがありました。
(北條香子、安藤美由紀)


2016年11月6日 東京新聞朝刊 11版 1ページ「入れ替わった9条提案」から引用

 戦後、何年か経って日本の歴史学者だったかジャーナリストだったかに宛てられたマッカーサーの書簡が、つい最近発見され、「戦力不保持」は幣原首相の提案だったことは確認されております。それを、湾岸戦争時にアメリカ政府から「日本はカネだけ出して、血は流さない」などと批判されたというので、「これは改憲が必要だ」と考えた勢力が、出版社や監修者に働きかけて「9条」誕生のストーリーを変更したというのは、大いに考えられる話です。しかし、史実を曲げてまで「憲法改正」を進めようという発想は、なんだか浅ましい感じがします。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年11月09日 19時57分45秒
[ニュース] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

お気に入りブログ

『中国の論理』1 New! Mドングリさん

コメント新着

 捨てハン@ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.